炸裂!!ドッカン・フグ!!
レイカ「こうなったら、私がフグを石にしてやる!!」
レイカの髪の毛が蛇になり、両目が光り始めた。
ブスなホステス「フグさん、レイカママの目を見ちゃダメ!!レイカママは、メデューサなの!!エイ!!」
ブスなホステスは、フグの両目に目突きをした。
フグ「グワアッこのブスが!!なんてことをするんだ!!目をつぶればいい話だろうが!!イテエッ。」
あれほど騒がしかった店内が、急に静かになった。
フグ「まさか、みんな石になったというのか!!」
目を閉じたままフグは、手探りで周りを触ってみると、冷たくゴツゴツした感じがあった。
レイカ「フフフフッそうよ、フグさん。あなたが思っている通り、この店内にいる者はみんな、石になったわ。」
フグは、両手の拳を黒帯の結び目のところにおき、空手の準備の姿勢をとった。
フグ「まさか、お前がこの店のママだったとはな。俺を石にしてどうするつもりだ!!お前はいったい、何がしたいんだ!!」
レイカ「私はね、あなたのように強い男が、無様に負ける姿を見たいの。そして、石になったあなたを川に放り投げて、石の魔法が解けたとき、溺れてもがき苦しむ姿を見たいの。ただそれだけ。」
フグ「とんだ変態女だぜ。このクソブスが!!」
レイカ「フフフフッさあ、お喋りはおしまい。でも、すんなり殺しても面白くないから、あなたにヒントをあげる。私は今から、この右手に持ったナイフで、あなたの心臓を刺すわ。いい、右手にナイフよ。フフフフッ。」
レイカは、ハイヒールの音をコツコツとたてて、ゆっくりとナイフを持ってフグに近づいて来た。そして立ち止まった。
レイカ「さよなら、フグさん。」
レイカはナイフを左手に持っており、フグの右脇腹辺りを狙って突き刺そうとした。
フグは、右手の中段受けでそれを受け流した。
レイカ「な、なに!!」
フグ「実は、さっきからずっと、薄目を開けて、お前の行動を見ていたんだ!!喰らえ、ドッカン・フグ!!」
フグは、レイカの顔面に左裏拳を入れた。
レイカ「ギャアアアア!!」
レイカは、2mほど吹っ飛んで顔面が割れ、血が滲み出て倒れた。店内の石になった人達は、元に戻り、また店内は騒がしくなった。
ブスなホステス「あ、ママが倒れてる。もちろん、フグさんが倒したんでしょ?」
フグ「お前のおかげだ。お前が、目突きをしたフリをしてくれたから、なんとか倒せた。ありがとな。」
ブスなホステス「フグさん、フグ・マニアの女達はね、あなたに抱かれたいの。だから今夜、私を抱いて。」
フグ「無理!!顔がブサイクなのはしょうがないとして、せめてもう少し痩せろ!!なんだその腹は!!」
フグは、ブスなホステスの妊婦のような腹を指差しながら叱責した。
ブスなホステス「フグさん酷いわ!!でも、そうやってハッキリ言うところが好き。」
フグ「じゃあな。明日仕事だから、そろそろ帰るぞ!!俺は二宮に勝ったから、金は払わんぞ!!」
フグは、大手を振って歩き、店を出た。
今日も逞しくワイルドに、異世界を生きるフグであった。