サタデーナイト・ナイトメア
フグは、テレビを見ながらビールを飲んで、土曜日の夜を満喫していると、木の扉がガンガンと音をたてた。
フグ「この失礼な扉の叩き方は!!人が週末を満喫しているのに!!」
フグは叫んだ。
「帰れ!!俺はもう寝るんだ!!」
ドターン!!
つっかえ棒をしていた扉が外れ、少年となっちゃんが、勝手に家に入って来た。
少年「こんばんは、フグさん。遊びに来たよ。」
なっちゃん「フグさん、明日、仕事休みでしょ。私達も明日、学校休みなの。だから、7並べしましょ。」
フグ「ふざけるな!!なんで俺が週末に、中学生と7並べをしないといけないんだ!!毎回毎回、扉を壊しやがって!!寒いだろうが!!」
フグは立ち上がり、扉を直していると、少年となっちゃんはトランプを配り終え、7を中央に置いて、7並べの準備をし始めた。
フグ「なに勝手に7並べの体勢をとってるんだ!!俺は7並べが大っ嫌いなんだ!!」
少年「はい。じゃあ、まずはレディーファーストでなっちゃんから。」
フグ「人の話を聞け!!だいたい、こういう場合は、年功序列で年上順からだろ!!」
なっちゃん「じゃあ、フグさん先にどうぞ。」
フグ「ったく、俺の貴重な休みが。」
フグは、ブツブツ言いながらも7並べを始めた。
一 とある丘 一
夜8時過ぎ、風がかなり強く吹く丘で一人、水色のパーカーを着たカズノコは叫んだ。
カズノコ「出でよ!!骸骨達よ!!」
丘の地面から、次々と骸骨が這い出て来た。そして、骸骨の数は、100体余りとなった。
カズノコ「これよりフグの家に、未納の5000円を取り立てに向かう!!骸骨共よ、私について来い!!」
カズノコは、懐中電灯を照らしながら、100体余りの骸骨達を率いて丘を下り、草原を歩いてフグの家に向かった。
カズノコ「ハックション!!それにしても寒い夜ね。クソッさっきから鼻水が止まらない!!もっとポケットティッシュを持ってくればよかった。」
そうこう言いながら、カズノコと骸骨達は、夜10時過ぎにフグの家に着き、家の前で叫んだ。
カズノコ「フグ、出てこい!!お前が、このくそボロい小屋に住んでいることは分かっている!!憑依代5000円を払え!!」
7並べに夢中になっていたフグ達だったが、なっちゃんが、カズノコの叫び声に気づき、木の扉を少し開けて、外を見た。
なっちゃん「うわっフグさん、カズノコさんが5000円払えって叫んでるよ。しかも、なんか骸骨みたいなのを、いっぱい引き連れてるんだけど。」
フグ「なんだと!!あのババア、5000円のために普通、ここまで取り立てに来るか?よっぽど金に困ってるんだな。」
少年「フグさんと同じ、貧乏なんだね。」
フグ「黙れ!!俺は確かに貧乏だが、ちゃんと真面目に働いてるんだ!!あのボッタクリ・ババアと一緒にするな!!」
フグは叫びながら、家から出て行った。
フグ「うるさいぞ、このクソババア!!今、何時だと思ってるんだ!!お前には、1円たりとも払わんぞ!!うおっ。なんだ、この骸骨達は!!100体以上いやがる!!」
フグは、少しうろたえた。
カズノコ「フフフフッさすがの空手家も、この骸骨の数を見てビビってるようね。そう、これが私の本当の力!!さあ、骸骨達よ、フグをボコボコのフルボッコにしてやりな!!」