フグ、バイトをクビになる!!
その日の夕方4時過ぎ、フグのバイト先の専務が、工場長・スライムと共に工場を視察に来た。専務は、フグの仕事ぶりに感心した。
専務「あの男は、フォークリフトの操作が凄いなあ。あんな細い道のカーブをすんなり曲がり、荷物をそつなく運ぶ。積み重ねる速さが尋常じゃない!!こんなにフォークリフトが上手い奴は見たことがない!!名前は何と言うんだ?」
工場長・スライム「たぶん、専務も名前を聞いたことがあると思うんですが、空手のフグさんです。でも、フグさんは無抵抗の人事部長を蹴ったんで、今日でクビです。」
専務「なんだと?」
専務は、フォークリフトに乗っているフグの側に駆け寄った。
フグ「おい、アンタ危ないから、ちょっと離れてくれ!!」
専務「ああ、すまんすまん。ところでフグさん、あんた、人事部長を蹴ったっていうのは本当か?」
フグ「・・・・ああ。俺は人事部長を蹴った。だから、今日でクビになった。さあ、仕事の邪魔だ、向こうへ行ってくれ、バイトで給料が少ないとはいえ、俺はこの会社に世話になったから、最期ぐらい真面目に働かないとな。」
専務「・・・・そうか。」
専務は、フグの話を聞いてガッカリしたが、工場長のスライムに、なにやら話し始めた。
専務「実は、フグさんには以前、娘が世話になってね。一時期、ドラゴンて奴が親父狩りやカツアゲをしてただろ?あのドラゴンを娘が言うには、フグさんと一緒に退治したらしいんだ。その話を娘が楽しそうに話すんだ、あんなに楽しそうに話す娘を見たのは、私は初めてだ。私としては、フグさんを失いたくない、フグさんは、私の娘に笑顔を与えてくれたのだからね。だから、フグさんのクビは無しね。」
工場長・スライム「まさか、専務とフグさんにそんな繋がりがあったとは・・・・分かりました。」
専務「フグさんには、この事は内緒で。そうだな、フォークリフトの人手が足りないから、クビは無しになったと伝えておいてくれ。」
工場長・スライム「・・・・分かりました。」
工場長・スライム(チッ今日であの空手バカと、オサラバかと思ったのに。)
タケゾウは仕事が終わると、売店の可愛いお姉さんの所に一目散に駆けつけた。
タケゾウ「ちゃんと証言したよ!!そっちはどうだった?」
可愛いお姉さん「ありがとう。ちゃんとタケゾウさんのこと、言っておいたわ。たぶん、大丈夫。」
タケゾウ「よっしゃああ!!よかったら、今から食事でもどう?」
タケゾウはガッツポーズをして、勇気を出して、可愛いお姉さんを誘った。
可愛いお姉さん「ごめんなさい。これからちょっと、事務所の方に行かないといけないの。また、今度ね。」
タケゾウ「そうか・・・・じゃあ、ラインかメルアド教えて貰えないかな。」
可愛いお姉さん「じゃあ、フルフルで。」
タケゾウは、可愛いお姉さんのラインをゲットした。