まさかの裏切り!!
次の日の朝、タケゾウは売店でタバコを買うためにレジに行くと、可愛いお姉さんが話しかけてきた。
可愛いお姉さん「タケゾウさん。今度、デートしてくれませんか?その代わり、フグさんが決闘ではなく、人事部長を蹴ったと証言して下さい。」
タケゾウ「え?い、いや・・・・その・・・・じゃあ、デートと、人事部長に俺を正社員にするように頼んでもらえませんか?そして、もし俺が正社員になったら、俺の、俺の彼女になって下さい!!」
可愛いお姉さん「・・・・分かったわ。その代わり、ちゃんと証言してよ。」
タケゾウ「分かりました!!」
タケゾウは、友情より女を選んだ。こんな可愛い彼女ができるチャンスは、もう二度とないと思ったからだ。
そして、午後1時過ぎ、工場長のスライムが、梱包作業をしているフグとタケゾウの所にやって来た。
工場長・スライム「フグさん、人事部長を蹴ったんだって?」
フグ「確かに人事部長を蹴りましたが、あれは決闘でした。なあ、タケゾウ。」
タケゾウ「・・・・。」
フグ「おいおい、どうした?タケゾウ。あれは、決闘だったよな?」
工場長・スライム「タケゾウ君、売店にいた人達は、決闘だったような、決闘じゃなかったようなと、みんな曖昧なことを言うんだが、君はどう思う?」
タケゾウ「あれは決闘じゃなくて、一方的にフグさんが人事部長を蹴りました。」
フグ「な、なにを言ってるんだ!!タケゾウ!!あれは決闘だっただろ!!」
タケゾウは思った。フグさんはたぶん、バイトをクビになるだろう、そうなれば、もう2度とフグさんと会うことはない。そして、俺は正社員となり、あの可愛いお姉さんと毎日、デートをしたりイチャイチャしたりして、ゆくゆくは結婚なんかしたりして・・・・。それに、なんと言っても正社員になると給料が上がる。美味しいものを毎日たくさん食べて、いい服を買ったりできる!!
そして、タケゾウの方程式が完成した。
可愛いお姉さん+正社員>>>>>>>>>>>フグ
タケゾウ「フグさんは、無抵抗の人事部長を、一方的に蹴りまくりました!!」
フグ「タケゾウ・・・・・・・・。」
工場長・スライム「分かった。フグさん、今日でクビね。」
フグは、タケゾウのまさかの裏切りに落ち込み、梱包作業をやめて、フォークリフトに乗って積み込み作業を始めた。
タケゾウ(フグさん、悪く思うなよ。俺は、次のステージに行く!!アンタと最底辺の友達ゴッコは、今日で終わりだ!!)
フグは、フォークリフトに乗って、黙々と大きな荷物を運び続けた。