フグVSドラゴン
フグがボロ小屋の裏口に回ると、少しして、なっちゃんの放った火柱がボロ小屋に当たり、ボオボオと燃え始めた。
フグ「ドラゴンて奴は、必ずこの裏口から出て来るはずだ。」
しかし、フグの予想とは裏腹に、ドラゴンと思われる男が、正面玄関から飛び出て来た。ドラゴンは小柄なアジア人で、フグと同じく空手着を着て、猟銃を持っていた。
フグ「な、なに!!まさか玄関から出て来るとは!!」
ドラゴン「いきなり小屋が・・・・これは放火だ。誰だ!!こんなことをする奴は!!」
少年となっちゃんは、急いで、近くの巨木にしゃがんで隠れた。
ズキューン!!ズキューン!!
フグが猟銃をドラゴンに撃った。しかし、実弾を買う金をケチリ、弾は、家に余っていた空包だった。
ズキューン!!ズキューン!!
ドラゴンも振り返って、フグに向かって猟銃を撃った。ドラゴンも実弾を買う金をケチリ、弾は、家に余っていた空包だった。
フグ「な、なに!!まさかコイツも猟銃を使うのか!!」
ドラゴン「な、なんだコイツは!!俺と同じ空手着を着て、しかも猟銃を撃つとは!!」
フグとドラゴンは、お互い寝転がったり飛んだりして、空砲を撃ちまくった。
湖の人々は、燃えている小屋と、銃で撃ち合いをしている2人の空手家を見て絶叫し、その場から逃げ出した。
そして、銃声が鳴り止んだ。
フグ「クッ弾がもうない!!」
ドラゴン「クソッ弾切れだ!!」
気がつけば、2人は銃を構えたまま、至近距離で向かい合っていた。
フグ「銃を捨てろ!!お前が弾切れなのは分かっている!!俺はまだ、弾が1億発、このリュックの中に入っている!!」
少年「またフグさんが、見え見えの嘘言ってるよ。」
なっちゃん「単位が億は、ちょっとねえ。」
ドラゴン「な、なに!!まだお前は、1億発も弾を持っているというのか!!わ、分かった。銃を置くから撃たないでくれ。だがその前に教えてくれ!!何故お前は、俺の家を燃やしたんだ?」
フグ「それは・・・・燃やしたら、よく燃えそうだったからだ!!見てみろ!!お前のボロ小屋が燃えているのを見ると、小学校のときのキャンプファイアーを思い出す!!」
フグは歌い始めた。
燃~えろよ燃えろ~よ
火の粉をまきあ~げ 天までこがせ~
フグは歌に夢中になって、天までこがせ~のところで、空に向かって猟銃を持ったまま、両手を広げた。
ドラゴン「シャー!!」
ドラゴンの素早い横蹴りが、フグの腹にめり込み、フグはぶっ飛んだ。そして、猟銃を落としてしまった。
フグ「グハッ・・・・しまった・・・・ついつい、歌を歌うのに夢中になってしまった。」
ドラゴンは、倒れているフグに蹴りを入れ始めた。フグは、頭と腹をガードして、なんとか蹴りを防いだ。
ドラゴン「この野郎!!人の家をなんだと思ってるんだ!!このまま、蹴り殺してやる!!」
少年「このままじゃ、フグさんがやられてしまう!!」
なっちゃん「私に任せて!!ファイアーボール!!」
なっちゃんは、ドラゴンに向かって巨大な火の玉を放ち、ドラゴンに命中したが、少し火の玉が大きすぎてフグにも当たり、フグとドラゴンは燃え始めた。
フグ「あつっ熱い!!」
ドラゴン「あつっ!!まだ他にいやがった!!」
フグとドラゴンは、湖に飛び込んだ。先に湖から顔を出したのはドラゴンだった。
ドラゴン「ひやっ!!冷たい!!」
続いてフグも湖から顔を出した。
フグ「冷たい!!クソッこの野郎!!デアッ!!」
フグは立ち泳ぎしながら、ドラゴンの顔を殴った。
ドラゴン「いてっこの野郎!!」
ドラゴンも立ち泳ぎしながら、フグの顔を殴り返した。
フグ「野郎!!」
ドラゴン「負けるか!!」
2人は揉み合いながら、湖に沈んでいった。