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ティッシュの争い

作者: もりすびー

ある、薬屋さんのセールの棚。

売れ残った商品たちは、暗い顔をしていた。

だって、明日は最終処分の日だから。

明日売れなかったら……どうなるかも想像したくない。

だから、この夜、売れ残りの商品たちは買ってもらおうと必死に自分を

よく見せる努力をしていた。

「シャンプー」は自分に積もったほこりを払い、

意味は確実にないと思うが、「ばんそうこう」は念入りに柔軟体操をした。


そんな中、ある2つのものが喧嘩をしていた。

「ティッシュ」と「贅沢保湿ティッシュ」の二つだった。

喧嘩の内容は、どちらが売れ残るか!ということだった。


こちらからすればくだらないが、売れ残り商品にとっては重大なことだった。


「ティッシュ」の言い分はこうだった。

高いお前よりも安い僕のほうが売れる!!というね。

この薬屋は、お手頃価格で知られる庶民向けのお店だからだ。


一方「贅沢保湿ティッシュ」の言い分はこうだった。

高くても僕は品質がいいから、売れるんだ!!という。


2つで競っても何にもならないので、他の商品に多数決をとることにした。

結果は、34個の売れ残りのうち32個が「ティッシュ」の方が売れると答えた。

それもそのはず、だってその32個はみんな安いから。


じゃあ、後の2個は何かって?

1つは、「贅沢保湿ティッシュ」でもう1つは「かゆみに効く目薬」だった。

この2つはどちらも高級。


さて、次の日。

売れ残っていない商品は、どんどん買われる。

しかし、そんなことは、ティッシュたちにとってはどうでもいい。

その時、ある主夫が「贅沢保湿ティッシュ」と「シャンプー」かごに入れた。

続いて、ある女の子が「かゆみに効く目薬」と「ばんそうこう」を買った。


後に残った物たちは、考えた。

なぜ、僕らは安いのに買ってもらえないのか?と。

答えは、でた。

今は、花粉が飛んでいる時期。花粉症の人は、鼻が出る。目もかゆい。

だからだ。

でも、その後、全てがきちんと売れた。


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