第2話 異変
「小説家になろう」にまだ慣れずにの投稿でございます。
ガンバトルはまだ起きませんしミリタリーもまだあまり触れません。
そっちに期待してくれていた方はもう少し待っていただけると・・・
キーンコーン キーンコーン
朝から3度目のチャイムが鳴り響き
教壇に立つ担任が連絡と予定について話す。
「連絡については以上なところかしらね~何か質問ある?」
名を西村 冴子と言うのだが・・
「はーい サエちゃんまだ独身ですかー?」
既に教師の威厳とやらは失われていた。
「な!?失礼な!純潔を守っているだけです!」
「独身なんですね~サエちゃん顔真っ赤~カワイイ~」
西本をからかっているこの周囲からのあだ名「ビッチ」こと
岡本も岡本である。
新学期始まって数日で西村の教師としての
威厳を叩き潰したビッチである。
「ビッチな貴女とは違うんですよ!」
その担任からもビッチ呼ばわりである。
「先生酷~あたしビッチじゃないしー」
「なぁ和樹 あたしって一人称ビッチ臭するよな」
隣の席の直人が話を振ってくる。
「ま、まぁそうかもね」
直人の振りに苦笑いで返す。
この直人とは和樹と小学校からの付き合いで
自分と結菜、美香、幸宏のいつものメンバーの
会話にもたまに入って来る。
「直人も和樹も酷~い サエちゃんと同類かも~」
「い、いや俺は別に・・」
(お前に同類とか言われたくねぇよ 担任も認めるビッチじゃねぇかお前)
苦しいがとりあえず否定だけしておく。
キーンコーン
そこでまたチャイムが鳴る。
「コホンッ」
担任のワザとらしい咳で注目が戻る。
「さ、さぁ授業の準備してくださいね!」
本日の一時間目は西村が受け持つ国語からである。
担任だからか教室の行き来が面倒なのか
このクラスの国語の授業は大抵一時間目だ。
大方、時間割担当の先生に頼んでいるのだろう。
~~~~~~~~~~
「このレ点は漢文において次の文字へ飛ばして読むという意味で
だからこの文は・・」
西村が一生懸命に説明しているのを
和樹見ていると首の辺りが一瞬光った。
何かなと凝視するとそれは・・
「んん?先生にもドックタグ??」
「こら~ 一ノ瀬~何さっきからッ」
「やべッ ばれt・・」
その瞬間、和樹の頭を何かがシュンッと遮るような感覚が走る。
「な、なんだ?」
「うん?」
「え、なんですの!?」
自分に走った感覚に驚いている中、
周りからも聞こえる驚きの声。
「俺だけじゃない??お前らも?」
「え、うん なんかスーッとするような・・?」
周囲に聞いてみると幸弘が答えた。
差異こそあれ皆同じような感覚だったようだ。
しかも異変はそれだけでは無かった。
「あれ? 車の音がしなくなった・・?」
「確かにしないわね? 」
その異変に気付いた和樹と美香。
ショウエン中学校は結構街中にある学校だ。
近くには大きな国道があるし、平日この時間はトラックと観光バスが騒音を出しているのが当たり前だ。
ピンポーン
起こった異変に気づき教室が慌ただしくなる中、突然校内放送がかかった。
『えぇ~全校生徒の皆さんは速やかに下校準備をし、速やかに帰宅してください。
繰り返します。全校生徒の皆さんは・・・』
教頭の下校と帰宅という2種類の言葉を使ったところに
いつもなら「国語力ねぇなぁ」と面白く感想を言い
笑いが起きるところだが今日はそうならなかった。
「どういう事ですの?外が静かなのと関係が?」
「関係無い訳ないでしょうに。この静けさは異常よ。」
真剣な表情で美香が言う。
美香が真面目に事を考えること自体も異常だったりするのだが。
「放送がかかった以上帰るしかないんじゃないか。」
「それもそうだね。外に出れば何か分かるだろうし。帰ってみよう。」
直人の意見に幸弘が賛同する。
という事で和樹といつものグループを含む全校生徒は帰宅する事となった。