8章 茶碗
アリ。その生き物はとても小さくて群れで生きている。
魔界にはいない生き物だったが、最近繁殖させようという活動もあるらしい。
ーーー
(もし...ねぇ)
「美味しい?」
『ほひほん!(もちろん!)』
ユイラはグッドの手を梨華に向けた。
復讐するため...ユイラの正体...
今梨華の頭の中では色々な思考が混ざっていた。
(引っかかるなぁ、何かが。)
『ゴクッ、ごちそうさまでしたぁ!』
「...食べてもらえて嬉しいよ。」
『えへへ~』
ユイラは相変わらずの笑顔を見せる。
(ゔっ...またこれか...)
もう、ユイラと居ると胸がドキドキする。
何故だ。魔界にこういう奴がいないからか?
「なんだよ...」
梨華はボソッと呟いた。
『あのさ、何でまた梨華さんに助けられたの?』
「え?それは...」
(待て自分。ここで豹変したユイラの事を言うべきか?ユイラ自身に。きっと、もう一度思い出させるかもしれない...)
「き、急にユイラがフラフラし始めちゃってさ、家近かったし運んだ。」
(ユイラはユイラのままで居て欲しいから...)
『え?梨華さん重くなかった?ごめんね、迷惑かけて...』
「そんなそんな、出会ったからには助け合わなきゃ!」
『そう...だね!俺梨華さんのこと大好きだよ~!』ユイラは抱きついてきた。
「ちょ、ユイラ!何を...//」
『梨華さんと離れたくないよ~』
「うぅ~//バカ...ユイラ...」
『なんだよバカってぇw...これからもよろしく頼むよ!梨華さん~』
「う、うん」
(なんで急に抱きついた⁉︎ユイラは何がしたかった⁉︎私は何で動こうと出来ないんだ⁉︎なんだ大好きって?あ、そだ。)
「あぁ~!ち、ちょっとお茶碗片付けて来るね!」
『ん?分かった。』
ユイラの腕の中から離れて、2人分の食器を持ち上g
ガシャーン
『大丈夫⁉︎怪我とかない?片付け手伝うよ』
「ありがと...」
(調子狂うじゃんか...)
ああ、これが...俗に言う
恋なのかな。