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4章 宿泊
ぱくぱく...
梨華はあれから訳も分からず、黙々とお粥を口に運んだ。
(人間なんだ?ってことは元々違ったって事?でもこの人は...)
『あの、俺』
「...はい!」
少年は梨華を見つめて話し始めた。
『きっと、人間に復讐するためにここにいるんだと思います。』
「ふ、復讐ですか...(汗」
『でも俺は人間。貴方は人間なんですよね。』
(え、ちょ、勝手に話を進めるなぁ!私は...)
「あ、まぁ...」
『でも貴方は良い人。こうして俺の事を気遣ってくれて...』
『感謝します。』
少年が微笑んだ。
ドキッ...
(おいおい、何だドキッて。ドキドキすんなバカ。)
「いいえ...そんな...」
(素性は隠そう。その方がきっと都合がいい。)
『あ、俺はユイラって言います。』
「その、私は梨華って呼んで下さい...」
ユイラは梨華と喋るのが楽しかったらしく、復讐の事もたいして気にしていなかった。
そして家族(仮)が帰ってくるまで、ユイラを梨華の家に置く事にした。
そして...仲良くなっていった。
なってはいけないはずなのに。
なんでだろうね。