9章 梨華
「恋愛ねぇ...」
『どうしたの?梨華さん』
「あぁ...まあ...」
『なんだよぉ、なんかあったら言ってね!』
「おう...」
梨華はつまらない学校生活の中で考える。
どうして助けただけの相手に恋をしてしまったのだろうか。
ユイラはどうして私と出会ったのか。
私はこのままでいいのか。
どうして...
『梨華さん!なんか冷たくないですか?』
「え、何が...?」
『俺にですよ!』
(あ...ごめん、私は...)
「ごめん、ユイラの事す」
『す?』
「す~す~」
(好きだから...)
「す~」
キーンコーンカーンコーン
「あ、うん、なんでもない」
『え...うん...』
(やばーい、本音出るとこだったわぁ)
「梨華さん...」
ーーー
『あれ...?筆箱無い...』
「貸すよ~」
『あ、ありがとう』
ーーー
キーンコーンカーンコーン
『帰ろう!梨華さん!』
「うん」
たったったっ
『靴が無くなってる...』
「え?」
(なんでそんな都合良く無くなって...)
生徒A「ああwこれお前のかぁw」
生徒B「あれぇ~?お前のだっけかぁw」
「ユイラの靴...!」
『うっ...』
ユイラの靴を一足ずつ持っていたのは、同じクラスの男子だった。
生徒B「ま、いいや。そういやこれもお前のだよな?」
『!...返せよ...』
生徒A「ふっ...やーだねw」
「ちょっ...おい!」
『梨華さん。いいよ』
(なんで...これって、だってイジメってやつでしょ?)
生徒A「俺らを愉しませてくれるんだったら、考えないでもないけどなぁ~」
「は?」
ドゴォッ
ユイラは殴られた。私の目の前で。
『ぐぁっ!』
ドサッ
生徒B「ははっ!いいザマ!」
ユイラは座りこんだ。
「おい...」
やめて...もう...そんなの
生徒B「あ?」
「ユイラは何もしてねぇだろ」
生徒A「昨日俺の足につまずきやがったんだよ」
「それだけか...?」
生徒A「すみません~って無様に謝ってきやがったんだよwなぁ?」
ふざけんな。ヤメロ
『梨華さんっ...』
たっ ヒュウッ...
生徒B「なっ!」
梨華は男子から靴と筆箱を取り返した。
それも人間技では無いが。
「もうユイラには関わるな。これは返してもらうぞ。」
生徒B「は、はぁ?だってこいつが悪...」
「たった転んだだけで、悪い事扱いかよ。だったら、てめぇらは転んだこと無いんだな?」
生徒A「...ちっ、行くぞ!」
生徒B「お、おう...」
「ユイラ大丈夫?」
『梨華さん...ごめん。俺の事なのに...』
男子達は立ち去った。
「いいんだよ。ユイラの為なら。」
『ありがとう、梨華さ「それとさ」
「私のこと...さん付けで呼ばないでよ...//」
『それって...り、梨華...ってこと?』
「う、あーもぉー!そうだよ!今日から梨華って呼んでってことぉ!わかった?」
『あ、うん^^;)』
「よし、帰ろう。」
梨華は急に照れた顔から真顔になった。
『ちょっと、待って!り、梨華!」
呼ばれた梨華は顔を赤らめて振り返った。
荒ぶる梨華(´・Д・)」