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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

運がない2人

作者: 最上利人

とある公立高校の偏差値は公立高校の中でトップクラスに入るくらいの頭の良さだ。


今日(こんにち)全国の高校の偏差値は段々と下がっている(全国の中学生たちは頭が悪くなっている)のにも関わらずこの高校に入る新入生は段々と増えていっている。


そのわけはこの高校にいる2人の先生の人気故。

その2人___最上清司(もがみせいじ)栗栖悠(くるすゆう)


朝、女生徒たちが最上清司を見つけて最上の下へかけていく。

「最上センセー。おはよーございまーす」

「おはよう。朝から元気だな、宿題はやったか?」

「センセー、宿題の話はやめてくださいよ」

「ははは、悪い悪い。お前らのことだからちゃんとやったよな」

ニコッと爽やかな笑顔で女生徒たちの心をドキドキとさせる。


「栗栖先生、おはようございます」

職員室に入った最上はいつもは直で保健室へ行くはずの栗栖を見つけた。

「…あ、おはようございます。最上先生」

「どうしたんですか、今日は」

「あ、えーと……」

栗栖先生の話を要約すると、朝いつもの通りに保健室へ行こうとしたら保健室の前にはたくさんの女生徒たちが栗栖が来るのを待っていた……らしい。何か持って……。

「あの子たちは何を持っていたんでしょうね」

「あ、分からないです」

栗栖先生はいつも言葉の始めに「あ、」をつける。可愛いな……。

栗栖の耳元で最上は囁いた。

「……そういえば今日は悠の誕生日だな」

栗栖は口をパクパクさせて慌てた。

ああ、可愛い……。女生徒たちが栗栖のことを可愛いと云っているのがわかるなぁ……。

「…最上先生?」

「……いや、なんでもない」

チャイムが鳴り、他の先生たちが教室へ向かっていった。いつの間にか朝の会議が終わっていたようで他の先生たちからいつも仲がいいねーとか茶化してくるのはいつものことだ。


「さあて、俺も授業の支度をするんで」

「……そうですか。僕もそろそろ保健室に…」

最上の袖を掴んだ。

「……何?離れるから寂しいの?」

「違っ!違うんですっ!さっき話した生徒たちがまだいるかの確認を……」

「ああ、いいよ。じゃあ、一緒に行こうか」

校長先生が和やかな目で見てきた。

いつものことだと思っている。

この2人が恋仲だということは2人の兄(姉)しか知らない。


「あ、ありがとうございました。えーと……紅茶でも飲んでいきますか?」

最上は保健室の中に自分ら2人しかいないことを確認すると……

「紅茶も良いんですけど、あなたを食べたいですね」

「なっ……なに云ってるんですか!学校ですよ」

「他の生徒たちもここを利用している訳ですし、ね」

ニヤリと最上は笑い、栗栖を押し倒し……



「……失礼します。ちょっと具合が悪くて」

ノックとともに保健室に入ってきた。

「あ、うん。じゃあ、熱を測って……」

「先生、どうしたんですか?顔赤いですよ」

「あ、いや、別になんでもないよ」

その生徒は熱があり、しばらく様子をみることとなった。

「じゃあ、そこのベッドに……」

栗栖はベッドを確認し、最上がいないことを確認した。

生徒は栗栖にいわれた通りのベッドに眠った。


「栗栖先生、そろそろ俺行ってくるよ」

「あ、はい。今日からグラウンドですよね。そろそろ夏になるので生徒たちに水分補給をきちんとするようにと」

「分かりました。それでは、また」

最上はそういうと保健室から出て行った。


あーもう!最上先生はところかまわずあんなことをするんだからッ!



下校時間もとっくに過ぎ、2人はケンカしながら帰路についた。

「あれほど学校ではあんなことをしないでくださいって云ったじゃないですか!」

「悪い悪い。悠が可愛くてつい……」

「つい……じゃないですよ!」

「ははは…。ところで何貰った」

「生徒からですか?」

そう。栗栖は生徒たちからプレゼントを貰っていた。誕生日プレゼントを……。朝、保健室前で栗栖が来るのを待っていたのは誕生日プレゼントを渡すためであった。

「ああ、誕生日プレゼントですよ。持ち帰れるものは持ち帰ってきましたけど……」

「持ち帰ってこれるもの?」

「昼休みにケーキを持ってきた生徒もいて…」

何故か最上はしょんぼりしてしまった。

「清司?どうしたんですか」

「……なんでもねえよ」


しょんぼりしてしまった最上にどうにかして機嫌を良くなってもらおうと思ったその時、タイミング良く?最上の兄が部屋に入ってきた。かなり酔っぱらっていた。最上(兄)の隣には彼女らしき女性が最上(兄)の肩を支えていた。

「こんばんはぁ~」

彼女も酔っ払っているようで……匂いに酔っ払ったらしい。最上(兄)をベッドに寝かせるとそのまま最上(兄)の介抱も途中に寝てしまった。


「清司、この2人どうする?」

今にも泣きそうな顔(学校とは性格が正反対)を上げて答えた。「ほっとけ…」と。

「いやいやいや、同じ部屋に他人?がいる状態でできるわけないよ」

最上はなに云っているんだこいつ的な目で栗栖を見、その慌てぶりに理解をした。

「なに、俺の機嫌をとろうとしたわけ?」

「べ…別に、そんなんじゃ……」

栗栖の答えを待たずに最上は栗栖にキスをし服を脱がせた。

「ちょっ!清司……ひゃんッ」

「悠はいつも可愛い顔して誘ってるからな…俺は仕事場でも我慢出来なくなるんだぜ」

「…そっそんなこというなら夏場とか普通に上半身裸になってる清司のほうが……ッ」


「ん~?あ、何?」

!?

酔っ払って寝ているはずの最上(兄)が何故起きて………バシッ!

思わず栗栖は最上の頬を叩いてしまった……。

「あわわわ……ごっ、ごめん清司ッ」

「……またいつものパターンかよ」

いつもいつも最上(兄)や栗栖(姉)に邪魔をされて最後まで……いや、一番始めで終わらせられる。

栗栖(姉)より最上(兄)の方がタチが悪い。

せっかくいいムードになって、これからヤろうと服を脱いだところで最上(兄)の邪魔が入る。栗栖(姉)は始めからヤらせてくれないからな……。

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