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一次創作

赤鬼と絵描き

作者: 追ヰ鰹

ある小さな島に赤鬼がいました。


赤鬼は島で一人ぼっち。


いつもいつも泣いていました。


「青鬼……」


と言っては泣くのです。


一緒にいた青鬼は退治されてしまいました。


それからずっと赤鬼は一人ぼっち。


ある日島に一隻の船が到着しました。


船には人が一人倒れていました。


赤鬼は起こそうとしました。


でもためらいました。


「目を覚まして、僕を見たらびっくりして逃げてしまう。そしたらまた僕は一人

ぼっち。」


と思ったからです。


ためらっていると、人が起き上がりました。


「………ここは?」


と言って赤鬼を見ました。


「鬼ノ島」


と赤鬼は答えました。


「そっか。それで君は?」


と人が言うと、


「僕は赤鬼」


と赤鬼が答えました。


「僕の事怖くないの?」


赤鬼が聞きました。


「うん。助けてくれたんでしょ?」


人が言いました。


「うん。ところで君の持ってるそれは何?」


赤鬼は人の持っている板を指差しました。


「これは画板と言って絵を描くためのものなんだ。」


人は言いました。


「絵?」


赤鬼が首をかしげると、


「僕は絵描きなんだ。」


絵描きは筆を取り出し、何かを書き始めました。


「何をしてるの?」


赤鬼が聞きました。


「絵を書いてるんだ。赤鬼の。」


絵描きは言いました。


「僕の?」


「そう。君の。」


それからしばらく経ってから、


「できた。これだよ。」


赤鬼にできた絵を手渡しました。


そこには青鬼と遊んでいる赤鬼の姿が書かれていました。


「え?これは青鬼。なんで君が知ってるの?」


赤鬼が聞きました。


すると絵描きはこう言いました。


「君があまりにもさびしい顔をしていたからさ。」


絵描きは言いました。


「退治されたとき助けようとしてくれてありがとう。僕はいつでも君のそばにいるから。君は一人じゃないよ。」


絵描きはそう、言い残し消えてしまいました。


赤鬼はまたポロポロと涙を流しました。


その後、赤鬼は一人でも幸せに暮らしていました。


絵描きに貰ったあの絵は100年たった今でも大事に残っているそうです。

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