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「ど・れ・に・し・よ・う・か・な?」
壁に貼り付けた依頼書の一覧を見る
チュラン学園の中にはダンジョンがある、試練の洞窟と言う名の迷宮である、
いかにも初心者向けの名前なのに、最下層は不明
10階以降魔物の強さは格段に上がる、、らしい
依頼書の殆どは試練の洞窟に関する物だ
目立つ行動は取りたくないのでソロ活動に徹する
ランク1の依頼からゴブリン討伐5体の紙を剥がす
「これを受けたいんですが」
受付のおばちゃんに依頼書を渡す。
お姉さんじゃない、おばちゃんだ。
大事な事なので2回言うおばちゃんだ・・・ふぅ・・泣ける。
「はい冒険者カード(仮)に書き込みました。」
依頼を受けると入学時発行された冒険者カード(仮)
に書き込みされる、達成後受付に報告すればOK
初めてのダンジョン探索は緊張するな・・・
ドラゴン?あれは違うよ、登ったの!外壁を、魔力を壁に吸いつかせて!
魔力草を食いまくったし、2度とやらない、やりたくなーい!
魔力草には魔力を回復する力があるのだが、非常に苦いのだ・・・
しかし、生きる為ではなく、冒険の為の探索は心が躍るね!
この気持ち、まさしく愛!・・・違うか?(違います)
ダンジョンは明かりもないのに何故か明るい・・・。
不思議だなと思いながら足を進める・・・いたねゴブリン20体はいるね・・。
1階だよ?多くね?
つーか女の子襲われてんだけど?俺20体もゴブリン倒せる程強くねーし
・・・だけど、ほっとけない!
意識を切り替え周囲を観察する・・・こちらには気づいていない
女の子は・・・怪我をしてるのか!?・・・5分は持つか
足を怪我しているな、逃がすのは無理か・・。
んっ?1体気配の違うゴブリンが岩陰にいる、リーダーか?
まずは少しでも敵の数を減らす。
ナイフを媒介に薄く長く魔力を引き延ばし硬化、固定する、
魔力を前身に巡らせ軟化、固定する
気配を殺し足音も無く獲物に向かう
*「くっこんな処で・・・」
油断した、まさか宝箱に警報装置が付いているとは・・しかもトラバサミの罠まで!
罠は外せたが、ゴブリンに囲まれた
下卑た目で舐めまわすように私を見る、背筋が寒くなる
纏めて塵にしてやる!
「フレアボム!・・・」
「フレアボムッ!・・・」
「・・・?」
発動しない?・・っ!あのトラバサミは魔力を吸い取る機能もあるのか!?
ゴブリンが3体こん棒を振り被り襲ってくる左に受け流し1匹を切ろうとすれば
また別の3体がこん棒を振り被り襲ってくる、人を狩るのに慣れている・・ここはゴブリンが人を狩る為の部屋なのか?
意識が・・・やだ、やだよ・・こんな処で死にたくない!
気力を振り絞りこん棒を受け流すが力は抜けていく・・・「助けて」
「あいよっ」
そんな軽い声が聞こえた瞬間、目の前のゴブリン達の上半身が横にずれた
私は意識を失った。
俺はゴブリンの胴体に向け一閃する、少女の目の前の10体を纏めて切り裂いた
返す刃を岩陰の気配に向けて投げつける、岩を貫き気配を切り裂いた。
少女の剣を奪い魔力を張る、未だ呆然としているゴブリンを2体切り裂く
「ぐっ!」
左側面からこん棒が打ち降ろされた魔力の壁が致命打を軽い衝撃に変える。
まだ魔力は前身にしか張れないから背中を見せたらアウトだ。
ゴブリン残り8体