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「死ぬかと思ったぜ」
俺は生きていた、炎を受け止めるのではなく受けた状態から流され魔力の盾を軟化し
受ける力の向きを変える事で、炎の軌道から外れ激突寸前で左の通路に身を流した
炎は壁を貫いている・・・おっかね
俺に残った負荷は全て回転に変化する・・・俺は独楽か!
足に薄く張った魔力のお陰で地面を掘る事も無かったし音も出さずにすんだが
摩擦力が無い分、回転が半端なかった・・・回転の真理を掴んだ気がする。
理論上可能な筈だがここまで上手くいくとは、、俺って天才?
「っとまだ油断は出来ねえ」
緩んだ気を引き締める、周りに魔物の気配は無い、ドラゴンの影響だな
まずは枯渇した魔力を回復する必要がある
俺はナイフに付着した血を少し指で拭き取り舐める
「ぐっ!・・・」
体中を痛みが駆け巡り、瞬間上げそうになる悲鳴を堪える。
痛みが消えた時には俺の身体に人には不釣り合いな魔力が溢れていた。
「これでドラゴンの血の効力が伝承の通りと判明出来たな・・・」
ドラゴンの血は摂取した生物のもっとも不足した部分を強化する。
作り変えると言うべきか?自身に起きた事を鑑み、そう仮説を立てる。
つまり俺は魔力が殆ど無い人間だったのだ、のだ、のだぁ、のだー(エコー)
魔法の使えない俺が何故ドラゴンの火炎ブレスを受けれたか?
魔法が使えない程魔力の少なかった俺は魔力そのものを使う荒業に挑み
魔力の硬化と軟化と固定が出来るようになった
魔力の<質>を変える事によりドラゴンの炎を受けても壊れない程の盾が作れたという訳
ドラゴンの鱗を媒介にしたのも良かったのだろう・・・つうか掌に埋まってんだけど・・・。
つうかこれ融合してね?・・・取れねー!
ちなみに炎を受け止めてたら、俺は今この世にいなかったぜ。
冷汗が止まらねえ・・・。
右手に持ったナイフを布に包み袋に入れ首に下げる
足元に魔力で文様を描き力ある呪文を唱える
「テレポート」
目の前の景色が切り替わり、見慣れた景色が広がる
「成功したな」
家に着いた事を確認した俺はすぐに飛び出しいつもの場所に
木々に囲まれた中に綺麗に円状の草原がある、そこに一人の少年がいた
鮮やかな金色の長髪
「だけど男だ」
惹き付けて止まないエメラルドグリーンの瞳
「しかし男だ」
見る者の心を奪う容姿に白い肌
「何故か男だ」
見た目は完全に美少女である
「残念だが男だ」
股間にゾウさんが付いているのを見たからな
非常に残念である
「何をぶつぶつ言ってるんだい?、、変態?」
「変態言うな!・・・むしろ紳士だ」
「?・・・誰がだい?」
「俺だ俺!」
「すいません、少し声が違う気がするんですが・・・」
「少し風邪気味で声が少しね・・・って詐欺士か俺は!ケイジだよ!」
もういいと手を振り、血の付いたナイフを差し出す
「舐めろ!」
「鬼畜」
身構える美少年
「っ!」
かっちん来たが、確かに説明不足だった
「ルウ、お前の病気を治せるかもしれない血だ」
まっっったく見えないがルウは病気で一年後に必ず死ぬらしい
臓器の一つが欠落している為、魔法で補っているとか
「ふふふっ冗談さ、今度は何を持ってきたの?」
言いながらルウはナイフを受け取り、疑う事無く血を舐める
「!っ」
苦痛に顔を歪めるルウ
「身体を作り変える薬だ(たぶん)自分でも試した、少し痛みはあるが死にはしない」
「これの・・・っ何所・・がっ・・少しだよ・・・っ」
痛みを堪えるルウ
「どうだ気分は?」
落ち着いた様なので声をかける
「・・・良く解らないな・・少し後ろを向いてくれるかい?」
「解った」
俺は後ろを向く、背後から何か確認している気配がする
「っ!」
大きく息を飲む音がし、駆け足で走り去るルウ。
「ケイジ!僕は今日はこれで帰る、、すまない!」
「・・・治ったのかな?」
一人になった俺は呟き、空を見上げる
「明日聞けば良いか!」
しかしそれからルウは俺の前に姿を現す事は無かった。




