明日。楽しかったと言えるようにたくさんあそぼう
「…」
むくれている。
「…」
小さな頬をぷくりと膨らませて。
「…」
「どうした」
恋人がむくれているから、聞けば。
「んぅ…」
「ん?」
いやいやと俺にすり寄りながらも何かに「嫌」と主張している。
――あぁ、これは。
「眠いか」
「ない…」
「眠いな」
抱きかかえて、恋人を膝に乗せる。
けれどあそび足りない彼女はいやいやと首を振った。その背をゆるく叩いて、眠りを促してやりながら。
「もう限界だろう」
「…」
「何事にも納得いっていない」
そう指さしてやった。
さっきまで彼女の目の前にあったものは、様々なあそび道具。色鉛筆と画用紙、積み木、パズル、ほかにもいろいろ。単純に考えればよくあそんだものだと出るけれど。
よく見れば、それらはすべて中途半端で投げ出されていた。
それは、彼女の脳や体が限界のサイン。
「また明日にしよう」
「んぅ…」
「そしたらまたいろいろできるから」
いやだと主張しても、体は正直で。ぎゅうっと抱き着いてくるクリスティアに笑って、抱き上げてベッドへと歩き出す。
それであきらめたのか、体の力を抜いたクリスティアは一度俺にすりよって。
「あした」
「うん?」
小さく、眠そうな声でつぶやく。
「あした、いっぱいいっしょに、あそんでくれる?」
そうかわいいことを言うから。
ベッドに寝かせた恋人を強く抱きしめて。
「当たり前だろ」
そう返せば、満足げな笑いをこぼした恋人は。
「うれし」
そう言って数秒、寝息が聞こえ始める。少し体を離し、嬉しそうに眠る恋人を見ながら。
「また明日」
呟いて。
よい夢が見れるようにと、その髪を梳いてやった。
『明日。楽しかったと言えるようにたくさんあそぼう』/リアス




