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雪の降る季節に:8-1

 グリーンヴェイルに冬が訪れた。

 昨夜からしんしんと雪が降り注ぎ、寒いなと思いながら朝、目を覚ましてカーテンを開けると、外は雪が降り積もって真っ白になっていた。


「雪だよ、ミーシェ!」


 精霊のリトリスがはしゃいでいる。

 思わず苦笑してしまう。


「ミーシェ、風邪をひくぞ」


 キール王子がカーディガンをかけてくれた。

 やさしいな、王子は。

 これでもうちょっと愛想がよければみんなも王子の魅力を理解してくれるのに。


 と、以前言ったことがあるのだが、キール王子は「僕に魅力があるとすれば、それはミーシェだけがわかってくれればいい」と平然とした表情で言われてしまったのだ。

 完全に反則のセリフだった。

 もちろん、思わずにやけてしまうほどうれしかった。


 外に出て、真っ白な新雪を踏みしめる。

 さくっ、と心地よい音がして、足首まで足が雪に沈む。

 雪が降った日にまずやることといえばこれだよね。


 外では子供たちが雪合戦をしたり雪だるまを作ったりして遊んでいた。

 さすがにわたしやキール王子はそこまで子供じゃなないから雪合戦はしないけれど。


「ミーシェ、どうだい?」


 いつの間にかリトリスが雪だるまを作っていた。

 ちっちゃくてかわいい!


「よくできてるねっ」

「でしょう?」


 えっへん、と胸を張るリトリスだった。


「ミーシェ。僕たちも雪だるまを作らないか?」


 キール王子が提案してくる。


「たまには童心に帰るのも悪くあるまい」


 そういうわけで、二人で雪だるまを作ることになった。

 キール王子が胴体で、わたしが頭。

 小さな雪玉を転がして、どんどん膨らませていく。


 よし、こんなところかな。

 いい感じの大きさになった。

 キール王子のほうも胴体ができていた。


 わたしの頭部を持ち上げて胴体に乗せる。

 木の枝で手を作り、手袋をつけ、顔に表情を描いて――完成。


「かわいいな」


 キール王子がほっこりとした笑みを浮かべる。


「かわいいですね」


 わたしはなにげないふうを装って、キール王子に寄り添った。

 キール王子はそんなわたしの肩を抱き寄せてくれた。

 胸がドキドキする……。

 ずっとこうしていられたらいいのに。


 そうするわけにもいかず、暖をとるために家の中に戻った。

 暖炉に火を入れる前に、わたしはテーブルに雪のひとかけらを置いた。


「キール王子、面白いものを見せてあげます。リトリスもおいで」


 二人がわたしの両隣に並ぶ。


「この虫眼鏡で雪を見てください」


 キール王子が虫眼鏡で雪を見る。


「これは!」


 彼は声を出して驚いた。


「美しい」


 虫眼鏡に映るものに見とれている。


「ボクにも見せてよ」

「ああ。見てみるといい」

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