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雪が降ってきた:幕間
肌寒い季節になってきた。
実りの秋は終わり、白き冬になりつつあるのを感じる。
気がつけば昆虫も動物もすっかり目にしなくなっていた。
見上げた空は分厚い雲にふさがれている。
灰色の空。
冬の到来を告げる空。
「ひゃっ」
鼻の頭がひやっとする。
手で触れると、わずかに湿っている。
もしかして……。
手をかざす。
すると、ひらひらと手のひらに雪のかけらが舞い降りてきた。
小さな雪のかけらは、わたしの熱で儚くとけた。
「雪だ……」
「雪が降ってきたのか?」
となりにキール王子が並ぶ。
わたしとキール王子は二人で灰色の空を眺めた。
彼と過ごす冬はどんな季節になるだろう。




