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今日も吉田さんは手厳しい

作者: 桜牡丹

この物語の主人公は、経理課で厳しいことで有名な吉田さん。彼女の冷徹な指導は社内で「経理課の鬼」と呼ばれるほどだ。しかし、その外見とは裏腹に、実はとてもかわいい一面を持っている。そんな吉田さんのツンデレな日常を描く、オフィスコメディが今、幕を開ける。

朝7時、アラームがけたたましく鳴り響く。吉田さんはベッドの中でうめき声を上げ、手探りでアラームを探した。「もう朝なの?まだ夢の中にいたい…」と呟きながら、何とかベッドから起き上がった。


 時計を見て、目を見開いた。「まずい、また遅刻だ!」急いでシャワーを浴び、歯を磨き、髪をとかす。出社までの時間は戦場そのものだ。朝ごはんは、いつものおにぎり。走りながら食べるにはちょうどいい。


 家を飛び出し、駅まで全力疾走。途中で同じく遅刻寸前の同僚、立川さんと遭遇する。「凛、またギリギリ?」「立川さんもね!」


 電車の中はぎゅうぎゅう詰め。凛は押しつぶされながらも、スマホでメールを確認。上司からの「至急対応」の文字に冷や汗が出た。「また、何かやらかしたのかしら…」


 オフィスに到着するや否や、吉田さんはデスクに飛びついた。「おはようございます!」と元気に挨拶するが、返ってくるのは半分寝ぼけた同僚たちの「おはよう」の声。


 吉田さんは経理課のデスクに腰を下ろし、今日のタスクを確認した。吉田さんは経理課で厳しいことで有名だ。ミスには一切容赦せず、部下たちをビシビシと指導する。そのため、彼女のニックネームは「経理課の鬼」だ。


 しかし、実は吉田さんにはもう一つの顔がある。よくしゃべればすごくかわいい一面を持っているのだ。彼女の笑顔を見た者は、そのギャップに驚かされる。


 その日の昼休み、吉田さんは立川さんと一緒にランチに出かけた。近くのカフェでパスタを注文し、二人でテーブルに座る。


「ねえ、凛。昨日のドラマ観た?」と立川さんが話しかける。


「もちろん!あのシーン、本当に感動しましたよね!」と吉田さんは目を輝かせて答えた。仕事中の厳しい姿とは打って変わって、吉田さんは楽しそうに話し始めた。


 ランチを終えてオフィスに戻ると、吉田さんは再び経理課の鬼に戻った。部下のミスを見つけては、的確な指導を行い、仕事の精度を上げていく。


「この書類、数字が合ってないわよ。もう一度確認して出し直して。」と冷静に指示を出す吉田さん。


「はい、すみません…」と部下は恐縮しながら書類を持ち帰る。


 午後の仕事が終わりに近づく頃、秀がデスクに近づいてきた。「吉田さん、これ、新しい経費報告書だけど、ちょっと確認してもらえる?」


 吉田さんは一瞥し、冷たく言い放った。「わかったわ。あとで確認しておくから、そこのトレイに置いといて。」


 秀は「了解」と言いながら、心の中で「やっぱり彼女は厳しいな」とつぶやいた。しかし、彼もまた、凛のかわいい一面を知る一人だった。


 こうして、吉田さんのツンデレな一日が過ぎていく。オフィスのヒロインとしての彼女の日常には、厳しさと優しさ、そしてちょっぴりの可愛さが詰まっている。

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