入学編3
「おい、やめとけ」
天馬は銀バッチの男子生徒に声を掛ける。
「誰だお前は!」
「俺は黒嶋天馬、君は?」
「黒嶋ってあの! すいませんでした!」
銀バッチの男子生徒は走って逃げた。
「大丈夫?」
珠々がバッチがない男子生徒に声を掛ける。
「はい!ありがとうございました」
頭を下げてどこかに行った。
「珠々、帰るか・・・」
「うん、帰ろうか」
天馬と珠々は内容の無い様な話をしながら帰った。
帰宅後
天馬はスクリーンに向かって話していた。
「母上、第一高校の入学式が終わって帰宅しました」
相手は天馬の母親である黒嶋皐月だ。
「天馬お疲れ様、明日から学校頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
「私は明日の昼から八家会の会議があるからそろそろ切るね」
「分かりました、おやすみなさい」
「おやすみ」
天馬は今1人で皐月とモニター通信をしていた。
天馬の住んでいる家は黒嶋家の所有しているマンションの最上階全てだ。
八家会の一員である黒嶋家は広島県広島市に本家がある。
天馬が通う第一高校は東京都内にある。
つまり天馬は親元を離れての生活をしている。
まぁ1人暮らしでは無く、使用人はいるのだけれど。
珠々も同じマンションで暮らしている。
四宮家は黒嶋家の分家である。
四宮家長女で天馬の婚約者候補、そして美少女である。
黒嶋家の分家は四宮家、四木家、四方院家の3つと言える。
細かく言うとキリがないので八家会で近い血筋から3つまでが分家となっている。
分家は通称「二十四家」と呼ばれており八家会に出られる権利を持つ家柄である。
八家会のメンバーは通称「色付き」と呼ばれる苗字に色が入っている。
青柳家、灰谷家、赤羽家、黄瀬家、黒嶋家、白石家、緑川家、紫原家で構成されており、黒嶋家の当主は黒嶋皐月だ。
八家会の会議の議題は高校の入学についてだ。
「昨日高校の入学式があった、各校問題は無かったか?」
議長である紫原家当主の紫原烈が話す。
「第一高校から第八高校まで何か問題が起きたとは聞いて無いから大丈夫だと思いますよ」
白石家当主の白石優香が答える。
「花音さんが生徒会長を務めている第一高校には天馬が入学したのですよ」
黒嶋皐月が話す。
「なぜ第一高校へ? 地元の第四高校には入学しなかったんですか?」
皐月へ緑川家当主の緑川真由美が質問する。
「第四高校は戦士よりは研究者を育てるのに力を入れているんですよ 天馬は戦士の教育を受けて欲しかったので第一高校に入学させました」
「なるほど 分かりました」
「今日の議題はこれだけだったからすぐ終わったな 各々ゆっくり情報交換なりして帰ろうか」
紫原烈が会議を締めた。