【プロローグのみ】実は領主な俺が身分を偽って冒険者のポーターしてるけど、今回追放されて(偽の)婚約者も寝取られて実家に帰り、内政へ注力してたら自然とざまぁになってた【連載化しない】
これを投稿する数日前に見かけたプロローグのみ短編に影響を受けて、投稿したものです。
そして、評判が良くて連載を望む声が多かったら、連載化…………なんて絶対にしません。 ご了承下さい。
と言うよりこの作品?はむしろ、後書きが本編かもしれません。
「お前は追放だ!」
いきなり変な場面でゴメンな。
俺はプロローグ領で活動する、ガーチアってケチな男だ。
「俺、なにかザミューの気に障る事でもしたか?」
今は将来が有望そうなガキの冒険者達に目をつけてはパーティーへ取り入って、ポーターとして身の回りの世話とか……あー、サポーターみたいな真似をして生活してる。
(サ)ポーターじゃないぞ? あくまでも荷物持ちがメインで、冒険者生活のイロハを密かに叩き込んでやる為に、サポートもしてやってるってだけ。
男は背中で語る。 …………ふっ、格好いいぜ。
「それだよ、それ! お前はこのパーティーで一番の年寄りな癖に、ニヒルを気取る馬鹿だからだよっ!!」
「それ、パーティーの貢献に関係ない要素じゃないか」
「関係が有るんだよ! それをされる度にオレ達がイラついて、集中力が乱れるんだよ!!」
なんだ、その言いがかりは。
「俺はお前達が戦闘ばかりする中、それ以外を全部してやっているんだが。 その貢献度合いを無視して、態度だけで追放か? ずいぶんな物言いだな」
実際そうだ。
この中堅どころとなったパーティーが、まず選ぶ宿って言っても良い所に集まっている、この若いパーティーは戦闘以外は何も出来ない。
パーティーリーダーであるザミューは魔法剣士。 最初は魔法が使えなかったが、パーティー内の魔法使いに教わってから、戦闘力が伸びた。
「それ以外が壊滅的なんだよ! オレ達をイライラさせるだけの、役立たずのオッサンが! なあ、ナミジィ?」
ナミジィ。 ザミューの同郷で幼馴染と言うヒーラー。
癒せる範囲は小さな擦り傷切り傷、赤切れ程度だったのに、近頃はもっと大きい傷も治せるまでになった。
「ええ! ザミューと燃え上がる夜を何度もじゃm……コホン! あなたが居なければと、どれだけ歯軋りしたか!! ねぇヨーコ?」
ヨーコ……正確にはヨコレン。 何度も行った手紙配達依頼先の村で、読書ばかりしていた少女。 魔法の研究がしたくて、ザミューパーティーへ入った才媛。
「はい。 わたしの順番でも、何度魔物の襲撃で邪魔されたか。 お前が戦えればと恨みましたよ。 貴女も何か言ってやりなさい、ハイレム」
ハイレム。 ザミューと並ぶ前衛剣士。 ある日突然話しかけてきて、そのままパーティーに居着いた自称ザミューの妹だが、調査をしてもそんな事実は無い。
「うん! お兄ちゃんはアタシのモノ! 誰にも渡さないよっ!!」
「「それは認めないっ!」」
「なんで!?」
…………とまあ、ここまでで大体分かるだろう?
気付いたら典型的なザミューのハーレムパーティーとなっていた。
若さゆえの過ちで子供を作るなんて良くないし、世間体もあるしそれとなく邪魔もしていたが、その所為で逆に燃え上がった模様。
いつも痴話喧嘩が絶えない、面倒なパーティーはこちらです。
見込み通りパーティーメンバーは誰もが強く成長してきているが精神は未熟で、冒険者として良い成長の仕方ではない。
今回の若者育成計画は失敗だったかもしれない。
そんな気持ちで嘆息していると、ザミューが薄気味の悪いニヤけ面を俺に見せてくる。
「追放は確定で、撤回は無い。 それと、ガーチアには今まで散々迷惑をかけられた慰謝料として、コイツをもらう事とした。 入ってこい」
そんなセリフを吐いた後に、部屋の扉が開いて入ってくる人物。
その人物を見てしまった俺は、あまりの衝撃で硬直してしまう。
入ってきた人物はザミューの隣に立ち、ザミューから伸びる手に腰を許す。
「フウショ。 お前の元婚約者だってな?」
ニヤけた面は、これか……。
「お前がこの街へ帰ってくると、必ず帰る家にいた女を抱いてやったら、オレのモノになるって言ってくれてな?」
このザミューと言う人間のクズは、こう言った行いを平気で出来る。
ハーレムメンバーもこれを知らなかったのか、頭が動かせず口を大きく開けて呆然としていた。
俺がフウショへ目をやると、それに気付いたフウショが小さくうなずいて返してくる。
しかも艶やかな微笑み付きで。
…………そうか。
ザミューの奴は真っ黒のクズなのか。
駆け出しだった頃は純粋で、冒険を楽しみ依頼達成で喜ぶヒトを見て満足そうにしていた若者は、もう居なくなっていたのか。
俺は決意をして、ザミューへ言いはなった。
「分かった。 俺の荷物はまとめてある。 自分の物以外を置いて、すぐ出ていく」
これにザミューは満足するかと思っていたが、どうやら不満たらたら。
「お前の女が寝取られたのに、こんな態度か。 つまんねぇ。 良いぜ、出てけよ」
「ああ。 今後は大変だろうけど、頑張れよ」
こんな捨て台詞を残し、ザミューパーティーから抜けた。
~~~~~~
「はぁ……失敗したなぁ」
街をとぼとぼ歩く俺は、もう何度もため息を吐いている。
その度に思い返すのは、ザミューパーティーとやって楽しかった、冒険の日々。
最初はゴブリンにもヒィヒィ言って逃げていた連中が、討伐依頼として挑み、そこそこに傷を作ってなんとか勝てたあの喜ばしい瞬間。
そんな討伐依頼にも慣れ、ついででやった採取依頼中に強い魔物と出会い、慌てて逃げて命を拾ったあの緊迫感。
拠点とする街の周辺で、一番強い魔物と言われたやつを、死闘の果てに討伐せしめたあの達成感。
様々な思い出がため息と共に逃げて行く。
「ザミューの奴、調子に乗って馬鹿をやり始めやがって」
そしてやって来るのはあのパーティーへ、主にザミューへの怒り。
「しかもあの馬鹿は、油断してあんなのに漬け込まれて、この領都へ厄介な物を持ち込む役などやらされやがって」
更に、自身への不甲斐なさも添えて。
「………………すぅぅ。 はあぁぁぁ。」
立ち止まり、天を仰ぎ、とびっきり大きな深呼吸。
深呼吸で少し落ち着いた俺は、持ち上げきれない心のままにポツリと呟いた。
「実家へ帰るかぁ……」
良くある追放ざまぁもの。
の短編・プロローグガチャを、意図的にやってみました。 騙された! とお怒りの方がおられましたら、本当にすみません。
追放宣言されて、付き合っていた相手を寝取られて、パーティーから罵倒されて、追い出されて失意。
この後好転するきっかけをちょろっと出して、はい終了。 次回(連載化)をお楽しみにね♪
完璧でしょ?
ん? 好転するきっかけ?
タイトル見りゃ分かりますよね? 帰宅すれば、それが好転するきっかけですよ。
んで、何を言いたかったのか、やりたかったのかですが。
プロローグガチャをやるなら、タイトルやあらすじ、キーワードや前書き後書き等の、目立つ所の何ヵ所かに書いといてほしい。
出来れば全部に書いてくれな!
あのタイトルやあらすじを読んで、本文と合ってなくて「あれっ?」ってなる肩透かし感は泣けてくるから。
(宣言、前置き無しで事前情報なしで)短編なのに、短編として終わらせてない短編は、騙された感が強いから。
詐欺に遭った悲しみが、本当にひどいから。
騙された主人公が人生の最底辺へ落とされて、絶望する気持ちが短編詐欺を食らった読者とつながって、そりゃあもう痛いほど分かるから。
短編が終わってからざまぁして行く話がプロローグガチャに多いけど、短編詐欺して騙してくるお前らは、そのざまぁされる側じゃね? とか皮肉も感じるから。
短編は短編で完結しててほしいと、願っているから。
オチも無い短編で「プロローグだけだよ」って前置きも無しでプロローグしかないのに「短編作品出来ました!」は、馬鹿にしてるとしか思えないから。
もう一回言うけど、短編詐欺してくる奴は、作品に出てくるざまぁされる側の連中とそう変わらないから。
書籍化・プロ作家を目指したいなら、続けたいなら、読者へは誠実であってくれ。
ただそれだけ。
ちなみにこの後の展開はお約束。
ガーチアは実家で大成功。 とにかくウハウハなビクトリーロードを邁進。
元々戦略シミュレーションゲームで言うところの「こいつがいるから史実通りにならない」「必ず配下へ加えるべき武将」「メーカーがこいつを贔屓しすぎ」とか、そんな感じの怪物です。
こいつがやることは大抵上手く行く。
逆に、悪い組織ともこっそり付き合いがあって、悪い事(裏取引)もしてたタンマリ儲けてウッハウハなザミュー達は転落。
全てのサポート、裏方をやっていたガーチアが居なくなって、私生活も冒険中の夜営も上手くできなくなったザミューパーティーはボロボロに。
失敗を繰り返し落ちぶれきった所で(偽の)婚約者から裏の悪い組織との付き合いの証拠を“侯爵領の領主であるガーチア”へリークされて、全員捕縛の上で無惨な最期。
寝取られた(偽の)婚約者ってのは実は、領内の諜報部隊員の一人でした~。
ザミュー達が破滅する方へ破滅する方へと地味に誘導したり、他の諜報員と連携して証拠をかき集めたり。
ガーチアが街へ帰ってくると会っていたってのは、ただの集めた情報を聞きに行っていただけ~。
こんなやつ。
続きは書きませんよ、絶対に。
ざまぁとか復讐ものは、書き上げるのに要求されるカロリーが異常に高いので、書ききれずエタる未来しか見えませんので。