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第4話
「やー、広い部屋だねー。大きな窓もある!いい部屋だ!」
「ふふ、喜んでもらえてよかったです。」
キャンシーは窓から顔を出した。その目の端に一人誰か見つける。
(誰だ?あれか?変質者っていうのは?あ、逃げた。)
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。」
そう言うと、キャンシーはベッドに座った。
「ねぇ、一つ聞いていい?」
「はい。」
「君、ずっと部屋にいるつもりなの?」
「え…す、すみません、すぐに出て行きます!」
「あ、ごめんごめん!そういう意味じゃなくてね、他の仕事しなくていいのかなって。」
「……はい、仕事は…ないです、お客さんはあなた一人だけなので。」
「そっか。」
キャンシーは鞄の中からフララスを取り出す。
「お話ししていいですか?」
「どうぞ。」
キャンシーは自分の隣を叩く。ラルドはそこに座った。ラヴィはラルドの腕の中にある。
そういえば、フララスっていうのは寒い地方の果物で、今現在入手困難とされています。