第3話
少女が向かった奥の部屋から色々な物が壊れる音がする。
(この人の前…は少し、不安だったけどあっちの方が心配になってきた。)
「んー?」
受付の女性が起きる。キャンシーたちはギョッとした。受付の女性はその右目が隠れ、左目もおどろおどろしい目をしていた。
「あら〜、おはようございます、」
女性の目が華やかに変わる。
「はい、おはようございます。もうすぐ夕方ですね。」
「んー、キャンシーさんですねー、私、この宿の主人の["シャルル"・ドルガ]です。依頼を送らせていただきました。」
「はい、これですね、この街付近の変質者の調査。すみません、調査だけなのに宿まで用意していただいて。」
「いえ、いいんです。面倒臭そうなので…」
「え?」
「いえ、なんでも。」
「お待たせしました!キャンシーさん!」
少女が勢いよく現れた。
「あ、"ラルド"、この人が
ラルドはシャルルを見下ろすように顔を上げた。
「あ、あれ?」
「キャンシーさん!部屋を案内します!ささ、行きましょう!」
「え、あ、ちょっと、」
ラルドはキャンシーの腕を引っ張り部屋に連れて行った。ラヴィは忘れていかれた。
「もう〜、仕方ない子ね〜、」
シャルルはラヴィの方に目を移した。
「あら、あなたら行かないの?」
ラヴィは声を出さない。その後ろからラルドがヒョコッと現れた。そのままラヴィを連れて行った。
(びっくりしたわ〜…)
シャルルは少し微笑んだ。
白く包むベールを剥がした君のその暑い眼差しはどうして僕をこんなに赤く染め上げるのだろう。
訳:日焼け止め塗り忘れて体が赤い。
シャルルさんは色白です。