第一章 一年目特務実習編②
翌日、基礎知識の座学が行われた
。
「起立、礼」
「「お願いします」」
「着席」
「早速、基礎知識の復習をしよう。
まずは、この世界についてだ。
この世界は《アストラ》と呼ばれるのは知ってるな?そしてこの国は7つある大陸のうち中央にある中央大陸 《アルビオン》唯一の国《アルビオン煌国》だ。この大陸にはこの国以外は黎明暦以前も、以降もこの国しかない。
つまりこの世界一の歴史を持っている。そして“異界からの侵攻”の時には最後の砦の役割を果たし、今後もこの地はそうあり続ける。
それがこの大陸だな」
そう、この大陸は多くの“異界からの侵攻”にまつわる遺跡や遺物があり、当時の事を知る事ができる場所で、ほかの大陸には朽ちかけた遺跡位しかないがこの大陸には記録、遺品、技術、遺跡、武器、敵の遺体の一部などが厳重に保管されている。
「この大陸は、“異界からの侵攻”で唯一侵略されずに残った場所であり、当時の物が完全な状態で保管されているんだ。
だからこの大陸は他より圧倒的な技術、戦力、人口を誇り、毎年多くの人がいつか来る“第二次異界戦争”に備えて軍やそうでなくとも戦う力を学ぶのさ」
故にこの大陸は最後の砦、この世界の最後の希望と言われ、多種族併合国家大陸となっている。
「そして、この大陸には多くの種族がいるのは理由があるって事だ。
その前にこの世界にいる種族について紹介するか、この世界には20種の種族がいて更にそこから部族などに別かれているんだ」
そう言って黒板の前にホロディスプレイを展開した。そこには人間と獣人について表示されていた。
「まずは《人間》。世界で一、二を争う人口を誇る種族だな。
次は《獣人》。人間と総人口を争う種族だ。
次《翼人》、鳥系獣人の事だ」
次はエルフ、ドワーフなどだ。
「《エルフ》、長命な種族で美形揃いだ。
《ドワーフ》、長命で物作りが得意だな。
《セイレーン》、海に殆どが生活しているな、別名人魚族。
《小人》、そのままだな。
《巨人》、同じくそのままだ」
今度は機械的な種族だ。
「《機械種》、機械で肉体が6割以上構成されている者達だな」
その隣には妖怪と妖精が…
「《妖人》、言い替えるなら妖怪だな。
《妖精》、エルフ、ドワーフ、セイレーンの祖先となる種族とされている」
次は吸血鬼などの力が強い種族。
「《魔族》、いくつかの種族の総称であり、種族固有能力が強力で人間などの『人』という区分に分類出来ない者達の事だ。例えば『魔人』、『吸血鬼』など。
《龍》、竜人などで人に近い者達のこと。
《ドラゴン》、龍そのもの」
霊的存在や魔族の上位種。
「《精霊》、天使や悪魔に並ぶ格を持つ種族。魔法の補助や契約によって力を貸してくれる。
《悪魔》、魔族が進化した種族。
《魔王》、悪魔、魔族の王、神と同じ格を持つ。
《天使》、神の使徒であり、天空大陸の住人。
《神族》、八百万の神のことだ」
最後は俺とレイナの種族。
「《星霊》、ゼロ、レイナの半分がこの種であり、天使、悪魔位から神、魔王並の格を持つ星に祝福された者だな」
そう教官が言うと俺とレイナの方を何人かが見てきた、
〔俺らを見てもあまり人とかわらないんだがな~〕
〔仕方ないよゼロ、は普通は居ないからね〕
「以上がこの世界の今の所の種族だ。質問は?…無いな。
話を進めるぞ?」
そう言うと画面を切り替える。
「これらの種族はそれぞれの大陸にいる、話を戻して大陸について紹介しよう」
初めに北大陸が表示される。
大きさはオーストラリア程だ。
「まずは北大陸について、北大陸は 《アルヴェイド》と言う。
国は、《ゲイルス帝国》、《ライベルト王国》、《ウィスティア公国》、《レイネス王国》がある。
種族は、人間、獣人、魔人がいる。
そして、よく雪が降っているな」
画面が変わる。
「次は南大陸、名は 《ウェレイド》。
国は《アルセア王国》、《リーネス王国》、《レルム王国》。
種族は、人間、人魚、獣人だ。
水産業が盛んだ」
今度は北東大陸が表示される。
「これは北東大陸 《ヤマト》、
ここは地球の“日本”と呼ばれた国の文化を継承しているな。
国は《ホクト皇国》、《ヤグモ皇国》、《アマノ皇国》。
種族は人間、鬼系妖人、一部翼人、獣人だ。
春と冬の季節が半年事に繰り返していて、春には改良されているが“桜”が見られるな」
〔なあみんな、1度行かないか?〕
〔いいね。花見をしようよゼロ〕
〔そうだな、雪合戦もいいな、ゼロは手加減してな…〕
〔やる事があったら考えよう〕
そんな念話をしていると南東大陸が表示された。
「そしてこれが南東大陸 《アグニ》だ。ここは夏と秋が繰り返し、火山が多いな。
国は《ナニワ皇国》、《イサナ皇国》。
種族は竜人、妖人。
水産業、商業が盛んな大陸だ」
〔ここなら寿司が食えそうだな~〕
〔そうだね、ユーリスもどう?〕
〔そうだな、久しぶりに食べたいな〕
「次は北西大陸 《イルガリア》。
国は《エルフィン王国》、《ガルス王国》。
種族はエルフとドワーフ、妖精だな。
森と草原地帯、山岳地帯で形成されている」
「最後は南西大陸 《エクセナ》。
国は、《エレニア機械国》、《アキエル公国》、《レイズ王国》。
種族は機械、人間、獣人だ。
化学が発達している大陸だな」
そして浮遊大陸、地底都市が表示さ
れる。
「そして、これは例外的大陸と国だ、まず浮遊大陸は、 《セントフィリア》神々と天使、聖職者が多く住んでいる場所で、アルビオンの煌都を中心に、ある一定距離のところを常に周回している。幻獣と言われる生命、生物もいるな」
(おぉ、景色いいな。後で行きたいな )
〔そうだな、行こうぜみんな〕
レクスが皆にそう言うと
〔うん。卒業したら行こうよ〕
セリスが賛成した…
そんな念話をしていると…
地底都市が表示される…
「これはアルビオンの地下にある都市だ。名は 《ゾリアヴェイト》。
種族は、魔王、魔族、悪魔で、生物は基本闇の幻獣」
「このふたつの国はアルビオンの同盟国で、大戦後にこの場所に移ったそうだ。
いつか実習に訪れるだろうから楽しみにしててくれ。
以上がこの国の大陸だ、理解出来たかな?」
ちょうど授業終了の鐘が鳴る。
「本日はここまで」
「起立、礼」
「「ありがとうございました」」
教室から出ていく時、教官はこちらを向いて
「この後は実技で魔導の授業だ。準備しとけよ~」
と言いつつ去っていった。
―――――――――
魔法実技の時間
「さて、これから魔導実技を行う、的はあそこだ」
指先にはゴーレムがあった。
「かこれから、魔法、魔術が使える者、まだ使えない者に分かれて、あれに周辺に甚大な被害が及ばない、最低限あれに傷がつく魔導術を放ってもらう。
あれに傷がつくなら何級でも、階梯でもいいぞ~」
周りにひどい被害が無ければどんな術でもいいらしい。
「それじゃ分かれて~」
すると全員できる方に来た。
「おぉ出来ない奴は居ないのかコレは頼もしい。
それじゃ、ゼロからやっていいぞ~」
さてどの魔法にするか…
『無属性』にするか。
イメージは『空間魔法』の『空閃』
言わば飛んでいく断裂空間の刃だ。
「『無刃の断絶』」
すると的は50の欠片となって崩れ落ちた。
「おぉぅ、これはオリジナルか?」
「えぇ、一応オリジナルの無属性魔法です。」
「なるほど、いいぞ創意工夫は。
次はレイナ」
「『絶氷の剣閃』」
今度は刻まれながら凍り付いた。
「すげぇな、これもオリジナルだな」
「はい、ゼロ達と創りました」
「創るって、そう簡単ではないのだが…」
その後もいくつかのオリジナル魔法が使われた。
「これにて終了だ、いつでもここは解放しておくから練習しとけよ~、
それじゃ終わり」
「気おつけ、礼」
「「ありがとうございました」」
――――――――
夜…
俺とレイナは部屋で実習内容について予想し合っていた。
「俺は、北方の都市『セルケア』が良いな」
「ボクは北方なら『ホルス』がいいかな」
セルケアは森が多く、ホルスは平原が広がっている場所だ。共通点は北方だということ、つまり北に俺とレイナは行きたいのである。
「まぁ、正直北ならどこでもいいかなぁ~」
「身も蓋もないね」
「だってな~。南は暑いじゃん…」
などと俺達はしばらく話し合った。
その後食堂にて…
「なぁレクス、実習何処だったら嬉しい?」
「俺は北の方かな」
「おぉ、俺達と同じか」
「俺達ってレイナも?」
「あぁ、そうだよ南は暑いじゃん、てな」
「ある程な。ユウはどうだ?」
「俺か?俺はどこでもいいぜ?
ただ、暑すぎないならな」
ユウは暑すぎ無いならどこでもいいと気楽な感じに言った。
(まぁ俺達はこんな感じの行軍は慣れてるからな~
でも他は心配や不安があるみたいだしな。
いざという時はアシストするか)
そう心に決め、食事を済ませるとそれぞれの部屋へ行き就寝した。
―――――――――
あれから2日後、ついに実習内容が発表された。
「さて、実習内容を発表する。
実習場所は北方『ホルシア領』、商業都市『ホルス』だ。」
レイナの言った都市に決まった。
「内容は、最近地下に何かがいて、それが理由で事件が起こるらしい。
そこでお前らに実習として調査し原因を見つけてもらいたい」
地下道の調査依頼に決まったようだ。
「調査は二つの小隊、四つの分隊に分かれてもらう。
6人の分隊一つ、あとは7人の分隊になる。質問は?」
「はい、班わけはどのようにしますか?」
「班わけはこちらで分けた。
まず、小隊長、第1小隊長ゼロ、第2小隊長エリック。
以上の2名が小隊長だ。
分隊長は第1分隊は小隊長に務めてもらう。第1小隊、第2分隊長はセリス 、もう1つはメリー、以上だ」
最小で四つの分隊に分かれるらしい。選ばれた以上頑張るとしよう。
「各小隊人員は、第1小隊、ゼロ、レイナ、イグリス、ユーリス、クラウス、セリス、アリア、シル、リーディス、ルイド、ミューラ、イルーシア、ミア、セリシアだ」
「「ヤヴォール」」
「第2小隊は、エリック、リュート、リア、ゼクトア、アルク、メリー、シルア、リーシア、レクス、ユウ、ベル、サラ、マリーだ」
「「ヤヴォール」」
こうして、班わけが終了した。
「それじゃ明日から目的地に向けて出発する。
準備を怠るなよ?
以上で目的地及び班わけを終了する」
「起立、礼」
「「ありがとうございました」」
こうして、俺達は初めての実習に赴いたのだった。
……To be continued
こんにちは星空の旅人です。
次は実習編③です。
次も読んでいただけたら幸いです。