7/7
最終話
子供たちを見送った後、メアリーは村外れの丘へとやって来ました。
小高い丘にはぽっんと、一つのお墓がありました。
「…遅くなってしまいました。もう50年になりますね。ただ今戻りました。博士。」
メアリーは買っていた花束をお墓へ備えました。
「博士。いろいろなお話が有るんです。私は、色々な国、人にあいました。」
メアリーは老人のお墓の前に座り、愛しそうに墓石を触るのでした。
「博士…。人の心はとても複雑で、アンドロイドの私にはとても難しくて。でもこの胸の辺りがポカポカと暖かく思うのが、感情、心と言うのなら、私はようやく、博士の願いを叶えて差し上げる事が、出来るかもしせません。」
メアリーは瞳にいっぱいの涙をためながら、彼女の精一杯の笑顔を老人に向けるのでした。
「博士、私は笑っていますか?」
そう言った彼女の頬に涙が一筋流れていきました。
最後まで読んでくださり、有り難う御座いました。
皆様の心がホッコリして貰えれば嬉しいです。