2
霧がかった朝。村外れにある男の家から女性が出てきました。
「やー!メアリーおはよう。今日は霧が凄いね!」
「おはようございます。そうですね。」
村人は女性に挨拶をして、さって行きました。
何処から見ても人間の女性、だがその女性は男が造ったアンドロイドのメアリーだと言うことを知る者はいません。
メアリーは家の前を掃いていると一羽の小鳥が息絶えていました。
「まぁ可哀想に。」
メアリーは両手で小鳥をもつと庭へ向かいました。柔らかそうな土を両手で掘り、小鳥が入る穴を作るとメアリーはそっと小鳥を埋めました。
ですがその顔は微笑みを作っていました。
メアリーは土がついた手をはらうと家の中へと戻って行きました。
「そろそろ博士を、起こさなくてはいけませんね。」
メアリーは男の寝室へと向かいました。
コンコン
「博士入りますよ?」
メアリーはドアを開け寝室へと入っていくと、一人の老人が寝ていました。
「博士おはようございます。」
「あぁ。おはようメアリー。」
老人はメアリーに微笑むと、起こしてくれとメアリーに告げると、メアリーは優しく老人の体を起こしました。
「今日はトーストとハムエッグと博士が好きな、フルーツサラダを作りました。」
「それは嬉しいな。」
老人はメアリーの手を取り、リビングへと向かいました。
暖かい部屋にメアリーの作った朝食が並んでいます。
老人は席につき朝食を食べ始めた時でした。
「なぁメアリー。笑ってごらん。」
「はい。博士。」
「……。まだ、駄目なのか。」
老人は悲しそうに両手で顔をおおった。
「博士、私は笑えていませんか?」
「いいや、ちゃんと笑ってはいるよ。」
老人は悔しそうな、悲しそうな、複雑な眼差しをおくっていました。
メアリーは首をかしげながら今朝起こった出来事を話します。
それはメアリーを作ってから、欠かすことの無い二人の朝の光景なのでした。
朝食は話的に洋食のイメージ、個人的には味噌汁とか和食にしたかった(笑)