第1話 今はもう、帰る場所
照りつける日差し、雲ひとつない青空。
コンクリートで固められた地面が、目の前の景色を揺らがせる。
今日、めっちゃ暑いですね。
私は故郷に帰ってきています。18年を過ごしたこの街はとてもいいところです。中学と高校は東京へ電車通学だったので、昼間の故郷は久しぶりな気がします。
ここは風が心地よくて、今日なんかまさしく「風日和」ってやつかもしれません。
そんな日は決まって、駅前の百貨店へ行くことにしています。なにも買い物をするわけではありません。屋上がちょっとした公園になっているんです。何を隠そう、今もこの公園に寝転がって指を動かしています。茂る緑に空の青、観覧車の赤と白を合わせて最高の場所に仕上がっています。恐るべし匠の技巧。無限に寝ることができます。人が少ないこともあり私にとっては、「楽園」ほど大層なものではありませんが、「秘密基地」くらいの
居場所になっています。親にも友達にも知られていない、私だけの秘密基地。自然に心も昂ぶるというものです。
これを読んでいる皆様にも、そういう居場所はあるでしょうか。自宅の人も学校の人もいると思います。子供の頃に好きだった場所などを今になって再び訪れてみると、なんだか切ないような虚しいような、それでも嫌ではない、難しい気分になります。気軽に故郷に帰って来れない今では、この公園にいる時もそんな感情に包まれる場所になりました。
まだ手探りなこともあり、とりあえずはこんな感じで進めていこうと思います。
それでは第1話「今はもう、帰る場所」、このあたりで。
連投になってしまいました。
最初はモチベーションもあるものですね。
次第に投稿ペースも落ちるとは思いますが、なにとぞ気長に待っていただけると幸いです。
…今なら、コメント第1号ですよ。