空から女の子たちが
炭坑の仕事は三交代で、僕は今日は夜の9時から、夜通しで仕事だ。
竪穴の底でなんとなく上を見上げていると、空から女の子たちが落ちてくるのがみえた。
100人以上はいるだろう。驚いて、
「親方、空から女の子たちが!」
と思わず声を上げた。声が届いていないのか、親方からの返事はない。
落ちてくる速度はとてもゆっくりしているように見えた。胸のあたりに光が見える。一つ一つの光はほのかだが、100以上の女の子たちがそれぞれ光っているので、集まるととてもまぶしい。
いくらゆっくりといっても、そのままの速度で地面にぶつかれば大けがしてしまうのではないか。助けたいが、受け止められるのはただ一人。助けを呼びに行く間に彼女たちは地面に衝突してしまうだろう。
だれか一人助けられるなら、やはり一番かわいい子を助けなければ。
そう思って誰が一番かわいいのか、空を見上げて目を凝らすが、みな背を向けて落ちてくる。顔がみえない。
僕は舌打ちをして、少しかがみこみ、足の裏に気を集中した。十分に気を集中して、一気に飛び上がる。たちまち僕は彼女たちを越えてはるか上空まで飛んだ。今度は目に気を集中させ、彼女たちの顔をチェック。
「何!ほとんど不細工だと!?」
驚愕の事実に身を震わせながら、それでもかわいい子はいないかと懸命に捜す。いた。僕から見て右斜め方向、ピンクのミニスカートのかわいこちゃんだ。
僕は再び足の裏に気を溜め、空中を飛んだ。かわいこちゃんまでひとっとびだ。
かわいこちゃんの手をつかみ、引き寄せる。そのときだった。
「おいこら」
かわいこちゃん以外の全員がこちらに顔を向けにらんできた。とても怖い。
そのあと彼女たちと闘ったり逃げたり冒険したりといろいろあって、最終的にかわいこちゃんと僕は結婚することになった。小高い丘の一軒家で、幸せに暮らしている。




