肉食系宮廷女子~宮廷戦記~
宮廷人の戦い
『神速果断のシャープネス』「虫を見たら悲鳴を上げたり、気絶をしたりするのが女の子の心得なんだよ」力強く言った後、思い出したように目を閉じて後ろに倒れていく少女
中世における淑女のお決まりシーン、悲鳴と気絶。コレに関しては、共通見解の元に教育や指導が行われていた、なんていう話もあるんだよ。
タレントがタイミングよく涙を流せるように、中世の淑女はしかるべきときに正しく気を失う訓練が行われていたらしいんだ。
笑い話であってほしいと思うんだけど、事実は小説よりも気なところがあるし、小説は基本的に読者に対する配慮や演出があるから、裏舞台にはあんまり触れないしね。
貴族の結婚に関して、自分の意思が尊重されてないことや、家のための礎となることに触れる作品は多いよね。そして、人とは向上心の塊だから、更にその上を目指したんだ。
なぜなら、宮廷婦人は、プロ集団だからだ。舞踏会のデビューはすなわち、面接試験と同義であり、ダンスは剣士が敵を見定めるように相手を観察する場だったんだよ。
コルセットは鎧であり、流行の髪形は兜であり、口先からでる言葉の一つ一つが剣戟で、思わせぶりな態度はフェイントの技術。宮廷婦人が宴の場を戦場と評する作品は結構あるよ。
ゆえに、世間からたおやかであることを求められたとき、彼女たちは徹底してたおやかさを追求し、研究したといわれている。
このあたりの、一部分は「西のよき魔女」っていう小説で語られているよ。少女向け小説だから、かなりソフトに書かれているけど、正直ぞっとするよ。
結論として、宮廷婦人は肉食系女子だったと思うな。気絶や悲鳴は彼女達にとって、捕食のための狩りの技術なんだ。だから、既婚女性が気絶をするシーンはあんまりない、と思うな。見栄えの問題もあるだろうケド。