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とある国異世界説。世界から見て、異世界な国。

Q、なぜ、異世界もののファンタジーは、日本からスタートして、日本でエンディングを迎えるのか。 A 日本以上に異世界でファンタジーな場所は他にないからです。


日本っていう環境が世界的に特殊。行基が仏教を持ち込んだときから始まって、日本国憲法からクリスマスにいたるまで、外国から日本に文化的なものが入るとき、日本風に書き換えられる傾向が強い。と、「日本でファンタジー小説を書くこと」で触れた。


今回は日本という国が持つ特殊性について考えます。シャーマニズムから生まれた神道とか、やおろずの神といった信仰。これらは現代は希少ではあるが、過去には多い。ブリテンやガリア、ネイティブのアメリカ、アフリカにかなりあるからね。


シャーマニズムの信仰は結果として、少なくなっていただけで、世界中に存在するの。過去にはたくさんあって、歴史の中で滅んでいって、現代においては希少というわけだね。


宗教批判をするわけじゃないけど。キリスト教圏とイスラム教圏と儒教圏。その上で政教一致体制であった国に支配、侵略されなかった国は、かなり独自の文化、思考、信仰、イデオロギーを持っている。


日本だって、政教一致的な政治体制はあった。神戸は別名「かんべ」といい、神社を中心に栄える「戸」、つまり家族が中心となって村の規模にまで発展した。他にも有名神社の周囲には、似た例があるはず。


そうでありながら、かなり早い段階で政教一致体制から離れてしまっている。そりゃあ、日光東照宮に祭られた家康公はかなり影響力のある神のようではあったけど、実際は神官じゃなくて将軍が政治を取り仕切っていたからね。


これには織田信長の活躍が関係していると主張する歴史家もいるね。楽市楽座の思考も、寺社が土地や富を独占している体制の破壊を求めてのことだったから。マンガなら、「修羅の刻」にもこのことが書かれている。


これをして、日本の宗教観のなさに繋がったと言う考えもある。確かにそうかもしれない。日本の特異性の一つに、特別な宗教観がある。


よく聞く話だけど、念のために繰り返す。ハロウィンはケルト神話、クリスマスはキリスト教、お年玉の習慣は儒教。節分やひな祭りは……神道よりだと思うんだけど、どうなんでしょう?


公立小中学校において、宗教的教育や指導に対して、日本は特に気を使っているみたい。詳しくは小中学校の指導要領や、要録、文部省の答申なんかを読むと興味深い。


ちなみに、西洋文化には宗教観は不可欠。「とある魔術の禁書目録」にも書いていたっけ、「洋式とはすなわち宗教が中心にある」「洋風とは型をまねていて、宗教観がなくてもいい」。


文化の中心である宗教の理解がない。そういった特徴を持つ人々に、西洋FTをリアルに展開しても、理解や共感を得ることは難しいんじゃないかな。


とにかく、宗教ってのは生から死のプロセスに密接に関わるから、生き方や思想にかなり影響を与えるんだ。日本の考え方の特異性の、これが根底の一つだと思うな。もちろん、他にもたくさんある。

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