【プロットタイプ】刃
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
序盤がきなり、何でも許せる方向け。
一度は感じた事がある様な悪夢です。
――面白くない。全然面白くない。こんなに人に媚び売る様な話書いて楽しい? 型番なぞって楽しい? オリジナリティが全くない。誰かの完コピ。多少の差異といえば、主人公が弟になっただけ。
――何、アンタ、声優やら女優やらと結婚したくて物書いてんの? そうやって悪魔に魂売ってでも何処か見所があれば良いけどさぁ、全く面白くない。
――そうやって本に集る虫ケラの様に、読者に寄生して生きれば良いよ。こんにちは、紙虫君。
五月雨の如く浴びせられる、暴言の嵐。眼前に立って言い放つ女の表情は、春の日差しの様に穏やかで、暗さの一つの感じさせないものだった。
――なんでそんな情けない顔すんの? どうせ私が言わなくても、他の誰かが言ってるよ。早いか遅いかの違いでしょ?
俺が手に持っていたのは、俺らしくもない小説だった。俺らしくもないイラストが描かれていた。その俺でもない俺がこれを手掛けた事に物凄い恐怖心を感じた。
突如、目が覚める。纏っている寝巻きはしっとりと汗ばみ、顔にも汗が焦れったく伝っていく。
時刻を見ると午前一時だった。部屋は暗く、置かれた家具が薄ぼんやりと輪郭を齎す。
嫌な夢を見た。物凄く嫌な夢を。何時もならば平然と返せる言葉も、その時ばかりは返せなかった。ただ唇を引き締めて、耐えるしかなかった。
こんな事をしても何も変わらないと思っている。けれども行動に移さずには居られなかった。
俺は着替えをすること無く、その黒い部屋の中からから抜け出すと、隣の部屋のドアを開ける。そこには同居人が布団に包まっていた。顔半分を羽毛布団に埋めて、微かな吐息を漏らす。幸せな夢を見ている様で、上がった口角から涎を垂らしている。
夢とは真反対の今。同じ穏やか顔でも、こうも違うのかと実感する。
「恥を知れ……」
夢の中では、精神が脆くなっていけない。
目が覚めると、そこは自分の部屋の天井では無かった。男性特有の、何処か営利で、寒色の空気が肌を撫でる。其れに反比例して、私の体は非常に暖かった。
その理由は至って単純。瑠衣が私の体を抱き締めて、そのまま眠りに着いていたから。離さない様に、しっかりと腕を巻き付けていた。
瑠衣の目が開く。何処か寝起きの悪そうな、不機嫌そうな顔とかち合う。其れから瞼をこじ開ける様にして開かれた。
「どうしたの〜? 瑠衣たぁん? 寂しんでちゅか〜」
ここぞとばかりに巫山戯る私を他所に、瑠衣はただ溜息を吐いた。
「俺の小説、どう思う?」
突如投げ掛けられた言葉に思わず息を飲む。けれども思った事を伝える事にした。
「プロにはなれないと思う。けども私な好きだよ」
すると安心した様に、瞼を閉ざし、また眠り始めた。
瑠衣が心を折れたのは、暴言を吐かれたからではありません。
単純に自分が書かない話を書いたから。
自分の信念を曲げて、ただ売れる為の物を書いたから。
自我の喪失です。ある意味一番怖いこと。
自分の心を完膚なきまでに叩きのめす様な暴言が吐きたくて。
でも胃にズンっと来るような感じはないので、まだ練り直す必要があると思います。
私も何時かこんな暴言を吐かれる時が来るんだろうなと思います。夢でも現でも、どちらでも。
そしたらきっとまたボッキリ行くでしょう。
だからその前に、自分で折っとこうかなと。
後に折れるよりも前に折れた方が良いんですよ。
立ち直れなくなっちゃうから。
何時もイージーモードな人生じゃなかったから、ちょこっとしんどい事があったから、今がある訳で。
現実でも、なろう様でも。