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03.少年
ただ本当に家がなく、親を無くした子供なのか、それとも何処かの国の偵察要員なのか
だとすれば国外に追放しても帰ってくるかもしれない
情報を持ち帰り軍を引き連れてくる可能性すらもある
だからと言って異国からの者であればこの国に留めても…
天と空はその手紙を見て話し合った結果、早急にその子供の詳細を知るべく一先ず会ってみる事にした
後日、天が一人で約束の地を訪れると、花梅とその後ろには色白肌で硝子玉のように透き通った青銀色の瞳を持つ少年が立っていた
その少年は花梅に挨拶しなさいと促されると、その透き通った目で真っ直ぐ天を見つめ
「龍雅です。」
と少し震った片言な言葉遣いで言った
「異国の子かもしれないわ。さっき聞いたら向こうから来たって言うのよ」
花梅がそう言い指を指したのは、ただ広い砂漠
天が面会に指定した場所は、その少年を見つけたという場所だった
何処から来たか分からないと書かれているなら、その場所で聞く方が多少でも手掛かりはあるだろうと考えたのである
異国の子だとするならば何故此処に居たのかと問えば、仲間とはぐれ迷っていたと答えた