09.神殿
神殿中の窓を開け、換気を済ませた空が、改めて神殿を見渡すと、やはり床や棚には、いつから掃除をしていないのかと思う程に塵が積もっていた
お供え物にも塵が積もるどころか、干からびた物が供えられている
もしや、と嫌な予感がした空は、代々国王に引き継がれる大切な聖剣が納められている布を捲った
次の瞬間、衝撃的な光景が目に飛び込んできた
「ーー無い……?」
手入れは行き届いていないだろうとは予想していた
だがしかし、それ所ではない
あるべき物が無い
辺りをくまなく見回したが、何処にも見当たらない
「何故、何処へ、お父様が外したのだろうか。いや、これは特殊な石から精錬された剣で、どの部品や装飾も取り外す事はできないはず。となれば、何故無い。お父様は知っているのか?この神殿の荒れ果てた有り様を見る限り、どうにも信用できない。まずは天に相談しよう。」
そうして空は掃除を中断して二人が住む屋敷へと急いで戻ったが、天の姿は見当たらないので、軍部を訪ねたが今日は見ていないと言う
「取り乱してはいけない。落ち着くんだ、らしくないぞ」
そう一言自分に言い聞かせてから、もう一度屋敷へと向かった
屋敷に戻ると、天が帰ってきて居ないか改めて屋敷中を探した
その途中で、侍女の花蘭を見つけた
いつもは静かで冷静な空が慌ただしくしているのに気づいたように、何かお探しですか?と花蘭は言った
空は天を探している事を伝えると、今朝児童館へ行ってくると言って出掛けてた事、普段ならそろそろ昼食を食べに帰ってくる時間であるが、帰って来ないという事は、恐らく夕方のお勉強の時間まで児童館にいるつもりなのではないか、という事を知らされた
この事は早急に共有し、解明する必要がある
しかし、次の仕事の時間が迫っていた為、一先ず夜には天に話せる事を願い、保留とする事にした




