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今は、散歩が終わり家に帰る途中、銀青魔法を見せてもらって大はしゃぎしたこゆぅは疲れて銀青の背中に眠っている。

銀青はそんなこゆぅを見て呆れていた、自身よりも高難易度の魔法を使っておきながら何をはしゃぐというのか、

闇属性の魔法は魔物であっても扱うのが特段に難しい、失敗すれば使用者に返ってくる、そんな魔法を好んで使う奴はいないというのにこゆぅは『だってかっこいいじゃん』ただそれだけで使っている。

無知なのか、知ってて使っているのか、そんな時2体の魔孤(まこ)が現れた。

「(今日はついてない、一日三体もの魔孤に出会うとは)」

魔孤は不幸の象徴とされている、魔孤は力が強い故に魔人を置いて魔王になる事も多々ある、昔は魔族にとっては幸せな象徴だったのだが、時間と共に人族の言い方になってしまったのだ。

「フェンリルが何故ここにッ!」

親であろう()()()()()魔孤が口を開いた、その声は警戒を滲ませていて一歩でも動けば攻撃されそうな空気だった。

そんな時寝ていたこゆぅが目を覚ました。

「銀青、おはよー家着いた?」

「すみません(あるじ)、主の同胞に出会ってしまいまして…」

話しながらこゆぅは銀青の背中から下り、2匹の魔孤を見た、そして驚いた先ほど出会ったばかりのコイキと毛先の青い魔孤、その魔孤はこゆぅが父親はこんな感じかとあたりをつけていた姿と全く一緒だった。

「コイキ君さっきぶり〜」

「こ、こんにちは」

「コイキ君のお父さん?かな?ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」

「なんだ?」

ライナ(お母さん)と交尾した事ある?」

毛先の青い魔孤と銀青が固まった、生まれてまもない子がなぜそんなことを気にするのか、こゆぅにとっては自分に父親がいるのかいないのか、それが気になっただけだ、家族に聞いても教えてくれないのでこうするしなかった。

「確かにしたが…なぜそれを聞く」

「僕、生まれてから一度もお父さんと会ったことないなーと思って、お兄ちゃんたちが青色が混ざった毛色だから気になってつい」

「主はこの魔孤が親父だと思ったんだな?」

「僕だけお父さんが違うかも~て思ったけどそれなら教えてくれるだろうから違うなって思って結果それっぽい魔孤に聞くことになった」

「じゃぁこゆぅちゃんは僕の兄弟?」

「そうなるね」

「やったー、こゆぅちゃん何歳?」

「三ヶ月」

銀青がこちらを見て固まってしまった、まさか生後三ヶ月の魔物に負けたことに驚いたのだろう、そんな銀青を見て見ぬ振りをしたこゆぅだったのだ。

「僕二ヶ月だから、こゆぅお姉ちゃん?」

「そうだよ〜お姉ちゃんだよ〜」

こゆぅは銀青に乗りながら、コイキと話す。

そして、家は帰るように銀青を促し、歩きだしたのだった。


家に着くと家族が物凄く怖い顔をして出迎えてくれた、笑顔なのに怒っていることがピリピリと伝わってくる毎日のことなので慣れた、だか!今日の僕は違うのだ。

「(銀青いるし、許してくれるよね?)」

そんな期待を胸に、声をかけるのだった。

「た、ただいま〜…」

「こゆぅ?いつも言ってるわよね、一言言ってから出かけなさいって」

口調は穏やかなのに母親の後ろがドス黒いのが怖い、幻覚を見せられているのでわないだろうか、そんな事を思いながらこゆぅは、反論するのだ。

「お母さん!今日の僕はいつもと違うんだ!従魔を捕まえて来たの、だ〜!」

「だから何?」

こゆぅは諦めた、これは何を言っても無駄だと、ならば全力で可愛こぶる事にした。

姿勢を低く、目をしっかりと見て、おまけに幻覚を見せる魔法でフィルターをかける。

「ごめんなさい、許して?」

母親と兄達が固まる、毎回してるけど毎回効いているのでありがたいと思うこゆぅだった。

「しょうがないわね、でも、これで最後だからね?」

「はい…」

母親はため息をつき、後ろを見た。

先ほどから兄達が大人しいのはこゆぅの後ろかいる銀青のおかげなのだ。

銀青もなぜか怯えている、確かにお母さんは怖いけれども、そんなに怯える必要があるのか?

「で?後ろのフェンリルは何?」

「お母さん、銀青の事知ってるんだ〜」

「成程こいつが従魔なのね」

銀青はひどく怯えている、なぜならこないだまで荒れていてとある魔孤に出会ったのだ。


『なんだ貴様?』

『あなた、最近この辺りで暴れてるワンコね?』

そう、あれは100年くらい前の事、毛先の赤い魔孤と出会ったのだ。

その魔孤はライナと名乗った、ライナが話しかけてきた理由は『私の縄張りで暴れないでちょうだい』との事、

当時の俺は負けた事が無かったから調子に乗っていたんだろうな、ライナに喧嘩を売ってしまったんだ。

『ハッ、そんなの知るかよ、やめさせたかったら力ずくでやめさせてみろ!w』

『あなた、若いワンコなのね、良いわ一度痛い目見させてあげる』

結果は当然のようにボロ負けだった、あまりの力の差に俺のプライドはボロボロだった。

『私の縄張りで暴れるのだからもうちょっと張り合いのある子なのかと思ってたわ〜』

ライナは、自分が勝つのが当たり前の話し方でぼやいていた、当時の俺はこれ以上あいつの声を聞きたくなくて逃走したのだったな。


さっきから銀青の様子がおかしい、怯えてたのが急にしみじみしだすしそいたら今度は青ざめるし、まさか!病気?!

「久しぶりね、」

「お、お久しぶりです!ライナさん!」

まさかの知り合いだった、しかも上下関係まである、どういう関係なのか物凄く気になる。

「銀青、お母さんと知り合い?」

「昔喧嘩売った相手がライナさんなんだよ」

成程…銀青にも思春期があったんだな。

「あなた、銀青なんて名前だったのね」

「主につけてもらったからな」

お母さんと、銀青は仲が悪いらしい。

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