File2:海
更新遅くてごめんなさいっ(・ω・;) これからも、のんびりと更新していく予定なんで、暇なときに来てみてくださいな(Å)
「美紗っ!!あの後どうなったの?!」
朝っぱらから馬鹿でかい声で華菜が私に問う。
あのあと...
私達は、いったん外に出た。しかし、彼は手を離してくれず、とまどっていたら、
「あっ...ごめん」
と、言って手を離してくれた。そんなちっぽけな事にもドキドキしている私がいた。
「...ところで、出たのはいいけど、自己紹介してなかったよね?」
そういえば、そうだなと、思い、頷く。
「だよね。
俺は、娜倭川高校の2年で、荒木 悟っていうんだ。字は、荒れる木に悟る。えっと...君は??」
荒木 悟...かぁ。てか、娜倭川高校って、あの、有名な??
と、考えてたのが顔にでてたのか、
「俺にとっては普通の高校だけどね;」
と、言った。そして、名前を名乗っていないのに気付き、
「あっ....えっと、私は南魁高校の2年生で、佐敷 美紗っていいます!美紗って読んでくれて結構ですっ あっ..字は、佐藤の佐に屋敷の敷に、美しいに、糸へんに少ないって字の紗です。」
...と、そこで彼..じゃなくて、悟が笑い始めた。涙までうかべている。少し、ムッとしていると、私に気付いた悟は、
「ごめんごめん。説明があまりにも詳しくてさっ!」
それのどこがおかしかったのかなぁ?? と考えている内に、
「よしっ!名前も分かったし、行くか。」
と、声がした。見ると、笑いは止まっていた。
それにしても...どこに行くんだろう?
「あっ...海に行きたいんだけど、いい??金は俺持ちで。」
6時だから少しだけ暗い。なのに、なんで行きたいんだろ?寒いし...
と、思ったが、海好きな私は
「いいょ♪」
と即答した。
「うっわー!!きれーっ!!」
海についたのは6時半で、それなりの暗さだったが、その暗さが、海のきれいさを更に引き立てていた。しばらく、時間を忘れて海を見ていたが、視線を感じ、見上げる。そこには、悟の顔があった。
「あの...私の顔になんかついてますか??」
漫画のような、台詞で悟に聞いた。
すると、悟は
「..なんでもないよ。ところで、海、好きなの?」
と、逆に聞いてきた。はぐらかされた気もするが、まっ、いっか。と、自分を納得させ、質問に答えた。
「うん。大好きっ!!なんかさ、海って見てると落ち着くんだぁ」
そう言った私に、悟は軽く微笑み、
「そっか。」
と、言った。
そのまま、特になにもなく、私達は帰った。メアドは一応聞いといたけど。でも、私はなぜか、メールはこないと確信していた。私からも、メールはしてはいけないと、思った。なぜかなのかは、分からないけど...
「....と、いう訳で、メールは一度もしてませんっ!!報告終わりっ」
言った途端、
「と、いう訳で、って...だいたい、なんでメールしちゃいけないのよ?」
と、華菜が呆れた顔で聞いてきた。
そんなの、私にだって分かんないけど、私の直感がそういってるんだもんなぁ...うん。仕方ないよね。
と、考えていると、
「もうっ!せっかく、セッティングしてあげたってのに..」
という、文句が聞こえてきた。
それならっ、と思い、私は逆に華菜に昨日はどうだったかを聞いてみた。きっと、駄目だろう.と思って聞いたのに、華菜は、
「私? 私はあんたと違って、優秀だから、ばっちりゲットできたわよ?」
勝ち誇った顔で、すんなりと答えた。そして、新しい、彼氏のメアドをみせてきた。
それから、三ヶ月が過ぎたある春の日に、私は、あの、懐かしい、悟の顔を見た。
そこから、私の日常は崩れていった。
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