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トーナメント表

 平日は鍛練をし、週末を迎えた。帝都での闘技大会の本戦が始まる。午前中にカナンとオードは帝都に降り立った。予選の期間が終わり、本戦が始まるので多くの人々が帝都に集まっていた。


「人が多いなー」

「予選の倍はいるぞ」


 お祭りの様な密集度。なんとか関係者入り口から第一闘技場に入れた。そこには仮設の受付があり、予選終了時に渡されたシートを提出。シートの魔力照合が終わり、番号札を渡される。カナンは4番、オードは7番。


「本戦って何人居るんだ?」

「確か予選からの16人にシード選手を4人足して20人?意外と少ないね。今日が、1回戦、2回戦、シード選手との準々決勝。明日が、準決勝、決勝。」


 年一回だから人数なんてこんなもんかと思うが、賞品ショボそうだなーとカナンは詰まらなそうにしている。オードは大舞台で緊張気味だ。


「シード選手ってどんな人達?」

「確かねー。魔法士団副団長、騎士団副団長、Sランク冒険者、剣聖。団長が出ないのは負けたら色々と立場がまずいからかな?」

「へぇー、組み合わせは決まったのかな?」

「開会式で発表だって」


 廊下を進み、控え室へ。控え室は個室になっている、他の出場者との喧嘩などを避ける為だ。広さは10畳程。椅子とテーブルがあり、飲み物や軽食が置いてある。

 カナンは暇なので、オードの個室に居る事にした。


「あと少しで本戦の開会式だねー。ん?シード出場者は貴族席から参加か、良いご身分で」

「まあ俺らも出場者席で座ってるだけじゃん」

「まあね、そろそろ行こっか」

「そうだな」


 個室を出て廊下を歩き案内に従う。やがて観客のざわめきが激しくなってきた。闘技場が近いのだろう。


「おー、意外と広いねー。金かけてるなー」

「でかいなー。それに見やすい」


 出場者席に座ると闘技台が目の前の少し下に見下ろせる形で存在していた。ドーナツ状に観客席、野球のスタジアムの様である。大きさは直径100メートル程の円形。床には灰色の四角いタイルが張られている。


『これより、本戦の開会式を始めます!』


 拡声の魔導具により舞台の中心に立つ人物が進行を始める。


『大会委員長の公爵家、ルーゼン様より挨拶がございます!』

『紹介預かりましたルーゼンです。正々堂々頑張って下さいねー』


「なんか軽いな公爵の人」

「多分寝不足なんだよ、こんな大きな大会だよ?トラブル多そうだし…あれが許されるくらい実力ある人なんだろうね」

「珍しいな、カナンが貴族を褒めるなんて」

「ちゃんと人は見極めるさ、平等にね」


 昔は貴族って聞くだけでも嫌な顔してたのに、丸くなったなー。とオードは感心する。アイちゃんのお陰かな…その呟きは大きな歓声にかき消された。


『それではトーナメント表を発表します!』


『『『ワアアアアァァァァ』』』




「「………」」




 ――――


 1回戦


 第1試合

 ブロス  Aランク冒険者

 ハワード  オータム流剣術、師範


 第2試合

 レオ・ワグナス  ワグナス獣王国

 カナン  無所属


 第3試合

 ユウト  ロブ王国

 ゴイーム・ハンサ  無所属


 第4試合

 オード  無所属

 ニーナ・エルム・グラウド  エルム帝国


 第5試合

 ローウェル  Aランク冒険者

 スタンリー  ジーク流剣術、師範


 第6試合

 オーガスト  オータム流剣術

 ネル・クーガ  クーガ流槍術、師範


 第7試合

 キーラ  迷宮ギルド

 ムンバ・ムーア  魔法士ギルド


 第8試合

 ハンナ・ドウ  魔法士ギルド

 アヴァネ・スター  無所属



 ――――


「兄さん」「カナン」


「「面倒くせえ相手な気がする」」


 二人は同時にため息をついた。

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