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予選トーナメント2

『444番のカナン様。帰りに受付に寄ってください。本戦の案内があります』


「はーい。隣の試合観たら行きますねー」


 予選トーナメントを優勝したカナンはオードの闘いを観る為、観客席へ。年齢が高く成る程試合時間も長くなる様で、まだ決勝ではなかった。丁度次の試合が決勝。


「ありゃ、決勝は転移者の横に居た女騎士かー。まあ兄さんが勝つだろうけど、どんな試合になるかねー」


 向かい合うオードと女騎士。防具は自由なので、オードは普段着に長剣。女騎士は金属鎧に長剣を装備している。


『始め!』

『行くぞ!剛撃!』「パリイ」

 ギンッ


 上段からの斬撃を軽く受け流す


『ならば!一閃!』「パリイっと」

 ギンッ


 凪ぎ払う様な斬撃をまたも軽く受け流す


「便利だなー、この技。カナンに感謝だ」

『ふっ流石だな』


 ―――


「兄さん、パクったな…見取りで出来るの?パリイって」

『やっぱり天才よねー。お義兄さんって』

『器用だなー。我は受け流し苦手だから』

「君達は天才って言葉じゃ足りないからね?」


 ―――


「じゃあそろそろ攻めるかー。炎剣」

 ボッとオードの剣が赤い炎に包まれる

『面白い、ならば私も!水よ、我が剣に宿り力となれ。水剣!』

 女騎士の剣が水に包まれる


『『『おおー!』』』『魔法剣同士の闘いだ!』『面白くなってきた』


「おっ、良いね。烈火斬!」『流水撃!』

 ガンッと魔法剣同士がぶつかり合い、熱波が吹き荒れ


「紅蓮剣!」『くっ、水剛撃!』

 炎で刀身が伸びた一撃に、力を込めた水の一撃がドンッとぶつかり合う


「まだまだ行くぞー。炎爆撃!」『ならば!水爆撃!』

 圧縮した炎と水がぶつかり合い、バンッと爆発


 爆発の反動を利用し、お互い距離を取る


『はぁ、はぁ。強い、な』

「俺なんてまだまだだよ」

『謙遜は嫌みか?…使うまいと思ったが』


 女騎士か苦笑しながら魔力を練る。オードは本当なんだけどな、と呟き様子を見る


『水よ、我の身を纏いし衣となりて、我が力となれ!水纏い!』

 女騎士の鎧が水に包まれる。やがて鎧に沿って水が行き渡り、水の鎧が完成した。



 ―――


「へえーやるねえ、魔装かー。いや、あの鎧が魔装をサポートしているな」

『便利な物もあるのね』

「んー、あれは人の技術じゃ作れないな。迷宮産か古代遺跡から発掘されたヤツかな?」

『迷宮ってダンジョンか?我は行ってみたいな』

「んー行くとなると泊まりになるからなー。それに罠とか大変だから、とりあえず中等部卒業したら考えるよ」

『じゃあ皆で行きたいわね』


 ―――


「魔装かー。俺もやるかな。白炎!」

 力を温存するように蒼炎ではなく、白い炎の鎧を身に纏う


 白炎のフルプレートメイルが完成した


『な…んだと。白い…炎。サポート無しなど…格が違う』


 水を纏った鎧と白い炎のフルプレートメイル。力の差は歴然だった。


「そいじゃ、行くか。白『参った!』…え?」


『勝者、765番!』


「あ、うん。ありがとうございました」


 白炎を解き、不完全燃焼なのか少し、しょんぼりしている様に見える。女騎士は自信を打ちのめされた様に項垂れている。

 こうしてオードも予選トーナメント優勝を果たした。


 ―――


「兄さんお疲れ」

「おう、お疲れカナン」

「最後残念だったね」

「一撃入れたかったんだけどなー」

「でも、心に会心の一撃はお見舞いしたねー」

「んー、まあこれで精進してくれれば良いんじゃないか?」


 オードと待ち合わせして受付を済ませた。来週の案内等を説明され、宿の予約等は断った。外に出ると、何やら身綺麗な人が出てくる人を観察している。


「兄さん、貴族のスカウトが居るから一度戻ろう」

「ん?そうなのか?分かった」

「目を付けられると面倒だから関わらない様に逃げるよ。フライ」


 裏手に周り、気配を消してフライで飛び立つ。

 貴族の思惑も関わっているのを目の当たりにして、げんなりしながら王都を目指す。


「まあ、とりあえず二人で無事本戦に行けるね」

「ああ、最後の調整しなきゃな。時間ある時に付き合ってくれよ」

「良いよー。ついでに技を1つ教えるよ」

「おっ!ありがとう。カナンの技は便利なヤツ多いから助かる!」

「パリイを見取り出来るくらいだから、簡単に出来るよ」


 雑談しながら王都に到着した。路地裏に降り立ち帰宅。時刻は昼を過ぎた所。


「ただいまー、ってこの時間は誰も居ないか」

「カナンはどうする?俺は剣技の練習するけど」

「俺は作りたい物あるから、部屋にこもるね」

「分かった。夜遅くならない様に、ほどほどにな」

「ははっ、兄さんもね」


 部屋に入り。椅子に座る。


「今更だけど、サティちゃんは秋の事覚えてるかな?」

『オータムって言うくらいだから、大丈夫よ』

「それは、おっさんに教えた名前だからな。なんか不安になってきた」

『サティって人はアキの事好きなのか?』

『会えば分かるけど、今はなんともかしら。でも仲は良かったみたいよ』

『有り得るかな?』

『有り得るわね』


「仲は良かったぞ。勝負事にお気に入りのパンツを穿くのは、変わっていないはず」


 カナンはグッと拳を握る。


『うわ…』

『アイ?どうした?』

『……1週間のパンツサイクルまで把握してるわ…』

『アキ…ちょっとそれは…』

『アキ…』

「やめろー!心読むなー!」



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