表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/285

実は…

 家へと帰宅。

 オードが筋トレする様子を見ると、腕立て伏せなのだが足が浮いている。本物の腕立て伏せを目の当たりにし…呆れた目をオードに向けた。


「ただいまオード兄さん。来週、本戦なの?」

「おう、おかえりカナン。来週だなー。今年も優勝目指すぞ!」

「兄さんなら優勝出来るよ。来週は応援しに行くね」

「おう! 頼んだ!」


 部屋へと戻り、50カラット程のダイヤモンドを一つ取り出す。


「前に見たダイヤと少し違うなー。一度オリジンと同化したせいかな?」


 魔力を流してみると、流した属性によって変化。赤、青、黄色と変化させて少し遊んでみた。


「おっ、色が変わった。属性によって色が変わるのか……不思議だな……じゃあ、全部だと」


 虹色に輝くダイヤモンド…レインボーダイヤモンドに変化した。この世界には存在しない全属性を含んだダイヤモンド。価値は…王族でも貯金しないと買えない値段になりそうだ。


「うわー綺麗だな。レインボーダイヤってやつか……」

『アキ、それで結婚指輪作ってね』

「……普通の指輪なら良いぞ」

『ウフフ』


「そうだ、アイの魔力入れたら藍色になるんじゃないか?」

『やってみるね』


 にゅっと石から右手が出て、ダイヤモンドに触れる。魔力を流している様子だが、弾かれていた。


『……色、変わらないよ』


「あれ? ……ってことは吸収したオリジンの能力?」

『大儲けだね』

「いや…そうなんだが、この能力? 他に使い道無いかなー」

『形は変えれるの?』

「そうだな、モデル・カット」


 形が変化。ラウンドブリリアントカットになった。輝きが増し、石からうっとりするような雰囲気が漏れている。


『ウフフ、綺麗ね』

「もうちょい行けるかな? モデル・カット」


 144面のラウンドブリリアントカットに形を変える。

 先程よりも、キラキラと虹色の輝きがすごい。


『わぁ! 綺麗ねー!』

「他には…繋ぎ合わせられる。沢山あるし、武器と防具でも作るかな」

『私も欲しい』

「どんなの欲しい?」

『メリケンサック』

「……殴るの?」

『うん』

「恐いから、せめて手甲にして」

『可愛いのにしてね』

「はいはい」



『アキって武器要るの?』

「一応使ってたぞ、包丁にフォークにナイフに麺棒とか」

『お料理グッズ』

「当時は武器なんて支給されなくてなー。でも包丁に超振動の効果を付けたら、勇者の聖剣より切れたぞ」

『アキらしいね。じゃあ包丁作るの?』

「んー…そうだな。使いなれてるし、料理も出来るし」

『剣とか作るのかな。と思った』

「あんまり長いと、魔法使いにはちょっと邪魔なんだよ。別に氷とか炎で刀身なんて長く出来るし」


 ダイヤモンドを二掴み程取り出す。


「モデル・ナイフ」


 ダイヤが結合し形を変える。

 虹色に輝く三徳包丁になった。


『贅沢な包丁ね』

「魔力の通りも良いから、ダイヤモンドも切れる包丁だなー」


 再びダイヤモンドを出して、ミスリルも取り出す。


「アイ、ネックレス作るけど…形どうする?」

『ハート』

「はいよ」


 ダイヤをハート型にして、ミスリルでチェーンと台座を作り取り付ける。

 石から手が出てきたので、ほいっと渡す。


『ウフフ、ありがとう。確かにアキから愛を受け取ったわ。今すぐ教会で祝福受けよ?』

「………」


 この世界は教会で二人が同意し、一緒に祝福を受けたら結婚という扱い。離婚などは二人が教会へ行き、解除する。死別は自動的に解除。重婚も可能だ。契約魔法の一種である。


 極端な話、祝福さえ受ければどんな者とでも結婚出来る。同性、動物、魔物だろうが結婚出来る事になる。


 実はカナンもその祝福が使える。


 祝福の魔法の名前は、光と闇の複合魔法…エンゲージ。

 お互いの居場所が何となく分かったりする契約魔法。

 一般的には祝福と言っているので、魔法名を知っているのは少ない。


(契約魔法だからなー。エンゲージの事を言ったらどうなるか……)


 アイに掛けている契約魔法…コンファインメント・エンゲージ。同意により閉じ込める魔法。


 エンゲージよりも強力な契約だ。


 カナンは強くなって世界を回る時、その契約を解除するつもりだとアイには伝えている。

 アイも石から出られ、カナンと並び立って旅が出来るので一応同意している。


 だが、カナンは最近嫌な予感がして、密かに祝福について調べてしまった。


 そして重大な事に気付き…驚愕する。


(実は祝福を受けて結婚しているなんて言えねえよ。バレたら絶対契約解除させてくれない……監禁魔法で結婚とかハイレベル過ぎる……するなら普通が良いし)


 今のところは秘密にするらしい。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ