原始の輝き
ダイヤモンドの輝く身体。
後ろが透けて見えるくらいの透明度。
赤色と黄色に煌めくその身体は、腰から上が存在しており、頭と一対の腕。
動く必要が無いと言わんばかりの身体は…
絶対的な自信。
絶対的な防御力。
絶対種と呼ばれる存在が、進化した存在。
「新しい種族の誕生? …なのか?」
「歴史的瞬間だね」
「見た限りでは、変身した身体にまだ対応していない筈だ。アイは防御に専念してくれ。少し相性悪いだろ?」
「そうね。アキを守る」
アイは藍色の魔方陣を出現させ、
「絶海・纏」
圧縮した海が二人を包む。
「ありがとう。ダイヤモンドだから…きっと衝撃が一番有効だよな」
魔法を発動。
灰色の魔法陣を重ね掛けする。
「__オーバーウェルム・ストレングス」
強化魔法を掛け、オリジンに向かって走る。
素早く懐に入り込み、掌を当てる。
「__インパクト!」
ドンッ!__衝撃が襲う。
「ショック!」
ドンッ!__身体が仰け反り。
「クラッシュ!」
ドンッ!__上からの叩き付け。
「ストライク!」
ドンッ!__追撃の打撃。
「シュラーク!」
ボンッ!__みぞおちに超衝撃。
衝撃を重ねることにより、少しずつ欠けさせていく。
欠ける身体に、オリジンが苛立つ様に暴れだした。
『オオオオオォォォォォ!』
ブンブンと腕を回すが、カナンは躱す。
「このスピードならいける! インパクトバラージ」
ドドドド!__衝撃が連続してオリジンを襲う。
パラパラと欠けていく身体。
「このままなら! クラッシュバラージ!」
ガガガガ!__衝撃が衝突し合い、増幅。
削られていく身体。
暴れるのを諦めオリジンは別の行動に出る。
ブォンッ!__赤色の魔法陣が出現した。
「げっ! 魔法陣展開出来るのかよ!」
魔法陣が輝いた瞬間…火炎放射、否、炎のレーザーが放たれる。
ゴーーーー!__速すぎて避けられずカナンに直撃。
「アキ!」
カナンは腕を交差させ、防御したが数十メートル吹っ飛ばされた。
「__ぐっ……効くなあ」
纏った絶海は全て蒸発し、全身に火傷を負っていた。
火山灰が太陽を遮り、曇った空を見上げながら、カナンは乾いた笑いを浮かべる。威力が高過ぎる…と。
「なんとか…無事だ」
回復の魔法を発動。
「__ハイヒール」
少しずつ火傷が治っていく中、先程の攻撃を思い出しながら、「……火力やべえな」思わず口に出した。
アイも少し焦っている様子で、「時間加速する?」時間稼ぎを提案してくる。
「いや…打開策が___っ!ははっ、やっぱり再生するか」
よく見ると欠けた場所が修復している。
大地と繋がっている限り再生する身体。持久戦は期待出来なかった。
再び、赤色の魔法陣が出現する。
「っ! 来た! 横に退避!」
ゴーーーー!__炎のレーザーが横を掠める。
心臓がバクバクと鳴り、冷や汗が止まらない。
一撃で致命傷になるレーザー。ここまで超火力な攻撃は初めてだった。
「どうする? 衝撃は時間がかかる。一撃で決めないとレーザーが来る…」
次々と赤色の魔法陣が出現。
アイがため息を付きながら、藍色の魔法陣を複数出現させる。
「仕方無い…防御するよ。絶海・圧壁」
圧縮した海が壁となってそびえ立ち、ゴーーーー!__と赤色のレーザーが放たれる。
海が蒸発していく。全て蒸発する前に、新しい海を圧縮し防御する。なんとか威力を抑え、回避に成功。
「ナイス、アイ」
「まかせて」
「この超防御に対抗出来るのって……ジ・エンドぐらいしかねえな……消滅魔法は下手したら俺も死ぬ」
(やるか?いや___っ!あれなら!でもアイに負担が)
「アイ」
「いいよ」
「ははっ、まだなんも言ってねえよ。頼めるか?」
「フフフ、がってん」
信頼を受け取り、カナンは魔法を発動する。
紫、灰色の巨大な魔方陣を展開。
決意の表情で、魔力を込める。
「…今から魔法を作る……マジックカルキュレイト・アクセラレーション」
オーバーウェルム・ストレングス~無属性複合超位魔法、至近距離の物理特化にさせる、相手に触れインパクトなどキーワードで技を発動出来る
マジックカルキュレイト・アクセラレーション~無、時間属性複合禁術、自分の時間を加速し、演算能力も加速、長時間使用すると脳が焼ける程の負担がある




