誕生日プレゼントを作ろう
こんばんは
朝起きてボーッとリビングで過ごしていた。丁度そこへエレンがやって来て挨拶を交わす。姉さんは10歳、初等部の5年だ。
「姉さん」
「どうしたの?カナン」
「きょうはおやすみ?」
今日は光の日。1週間は地球と同じ。
日月火水木金土→光無火水風土闇になる。
光と闇は一般的な休日。
「そうだよ、まだ店番させて貰えないから、何しようかなーと思って。カナンはどうするの?」
エレンは学校の中で見てもかなり可愛い方だ。綺麗な金髪、クリッとした目、細やかな肌。
ブライト曰く結構モテると聞き、カナンは学生の姉さんを拝みたいなと常々思っている。可愛いは正義だからだ。ブライトもイケメンなので兄妹で歩くと誰も話し掛けられない程。
「いっしょにお買い物いこ?」
姉さんと行きたいなー。と上目遣いをするカナン。
「いいよ!カナンは可愛いなー」
姉さんも可愛いよ。声にならない呟きを笑顔に乗せる。
「何買いに行きたいの?」
少し屈んで目線を合わせてくれる。20センチ程エレンが高いので、早く大きくなりたいなーと思うカナン。
「うーん、もうすぐブライト兄さんの誕生日だから、何か魔道具作ってあげたくて…」
カナンは魔道具に関しては簡単になら作れると言ってある。図書館で独学で勉強したと。近所に対して口止めはしてるけど、周りにバレても別に構わないと思っている。なるようになれ精神だ。
「あら兄さんにプレゼントするのね、私も選ぼ」
思い出したとばかりに、ニコッと笑うエレン。おでこに付けているヘアピンがキラキラしている。この前カナンがプレゼントしたクリスタルのヘアピンだ。安全の為、魔法を付与をしているのは秘密。
「何をプレゼントするの?」
「勉強する道具にしようかな」
「雑貨屋さん行こっか」
「うん」
家にも文房具とか置いてあるが、他の物も見ないと納得出来るモノが浮かばない。ちなみに家は商家でコンビニみたいな店と、中卸的な事をしている。
「ペンって書きにくそうだね」
紙には羽ペン、石板にはチョークだ。ごわごわな紙に書くのは難しい。チョークも粉が舞うので困る。
(ボールペンだと作れるけど仕組みについて聞かれそうだからな…いっそのこと疲労回復の腕輪にしようかな…土魔法で金属には困らない)
シルバーアクセサリーとか好きな年頃だよなーと、格好良い兄を思い浮かべる。
「エレンねーさん決まったよ」
「あらもう決まったのね。私は冷える時用の膝掛けにしようかな」
―――
「さて、モデル・ブレスレット」
机に向き合い、魔法で加工する。金属は銀、山でコツコツ貯めた。少しねじれの入った羽ペンの羽根のような造形があるブレスレットが出来た。
「こんなもんでいいかな…エンチャント・ヒーリング」
少量の回復効果を付けておく。
(買い物に付き合ってくれた姉さんにも作っておくか…)
「どうすっかな…モデル・ブレスレット」
無難にブレスレット。こちらは天使の羽根をイメージ。
「エンチャント・シールド」
危険時に発動するシールドを付与した。
「喜んでくれるかな」
立派に弟やってます。
モデル・~無属性下位魔法、思うように造形する、加工難度によって魔力と魔力操作が必要になる
エンチャント・~付与魔法、色々な魔法を付与できる、同じ魔法でも親和性の良いものだと消費魔力が抑えられる