藍
巨大な魔物の前に立つ、藍色の髪の二人。
至って普通の日常にいるかの様に、とても落ち着いた雰囲気を出していた。
そんなあり得ない違和感に、騎士団、冒険者、傭兵も少女達から目を離せない。
巨大な魔物が動き出し、叫びながら歩みを進めようとする。
『ゴアアアァァァァ』
片方の存在感の凄い少女…アイがカナンの前に立ち、片手を下に向ける。
ブォンッ!__
藍色の巨大な魔法陣が出現した。
深い海に居るような、藍色の光を放っている。
「__絶海」
アイの特殊能力…海召喚が発動。
五百メートル以上の巨大な魔物は、さらに巨大な円柱の暗い水…いや、深海に包まれた。
光を通さない暗い海を見て、魔物が暴れるが為す術も無く…
『ゴッポッゴアブォゴア』
__ゴキッバキッ…と魔物は息が出来ず、水圧により潰されていく。
「いやー、凄い制御力だなアイは。こんな大質量の形を保つとか、底が知れねえなぁ」
「ウフフ」
褒められて嬉しそうなアイは、さらに青色の巨大な魔法陣が出現させる。
魔法陣から輝きが放たれ、ピキピキと空気が凍っていく。
「__絶氷」
巨大な深海の円柱が、瞬く間に凍った。
巨大な円柱の氷で出来たオブジェが完成。
あっけなく魔物の生命活動が停止した。
「終わったよ」
本来魔王は高火力に魔法を放つ災害であり、こんな大質量の形を保つなんて魔力制御は出来ない。
以前のアイはデカイ海水をぶっぱなすだけだった。
「カッチカチだなー」
アイはコツコツと魔力制御を修行した。カナンに頼み加速空間の中で一緒に、嫌いな修行をコツコツと。そして手に入れた超繊細な魔力制御。
「凄いでしょ」
それはカナンと並び立つ為
綺麗な世界を作るカナンは、いつか自分を追い越していく。
「これどうすんの? 観光名所になるかな?」
置いていかれたくない。一緒に居たいという一途な想い。
それが、魔王が本気で修行をするという歴史上類を見ない事が起きた。
「壊しちゃえば?」
それ故にアイは僅か数年で、王種最強を手にする。
「ほーい、ストーンバレット」
氷柱に石の弾丸を命中させると、ピシピシと音を立てひびが生えてくる。
やがて、ガラカラと氷柱が崩れ去った
パラパラと氷の欠片が舞い落ち、キラキラと輝く中心で寄り添う二人。
その神々しい光景に人々は酔いしれ…
「遺跡見に行くかー」
「ウフフ、遺跡デートね」
二人が去った後も、人々は言葉を発することが出来なかった。
絶海~藍の魔王の固有魔法、望んだ海の一部を召喚、魚も一緒に召喚出来る。アイは魔力制御により形も自由に変えれる
絶氷~氷魔法禁術、指定した範囲、物を、内部まで瞬間凍結、魔力を込めれば絶対零度まで温度を下げれる




