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慈善活動

「学校かー、何年ぶりだろ」


 この世界の学校は6歳頃から初等部が6年、12歳頃から中等部が3年、15歳になったら魔法や騎士など専門職の学校へ3年行くのが一般的だ。


(入学まで1年か…今さら勉強してもなー)


 王都の道をとぼとぼ歩く。今日もおねーさんに会いに西区の図書館へ行った帰り。


「メガネにキリッとした目…最高だ」

「ついついお揃いのメガネ作っちゃったし」


 精神はアラサー。前世で魔導具、武器、防具作成は学んだ。現在掛けているメガネは認識阻害の効果がある。前世の影響で目立たず行動したいタイプだ。


「メガネでペアルックデートに誘いたい…くっ…子供の身体が…」


 おねーさんに合わせて大人になりたいが、残念ながら身体を成長させる魔法は知らない。


(将来…ねえ。異世界での将来なんて考えたこと無かったな…帰ることしか考えてなかったし)


 前世で色々試した。パワースポットに行ってみたり、狭間と呼ばれる場所に行ったり、頑張って次元の扉を開いてみたり。


「でもまあ…一応活動している事はあるんだよなー」



 ――――



『オラッ急げ!早くずらかるぞ!』


 数人の男が大きなズタ袋を抱えている。丁度カナンならすっぽり入るくらいの。焦っている様だが顔は少しニヤついて人通りの少ない道を進んでいる様だ。


「人攫いか…」


 分かりやすいなーと呟く。王都では誘拐はよくある。犯罪は強盗、強姦、様々だ。現在王国は奴隷は禁止されているので、他の国に売り払うのだろう。


「…こんな昼間に人間ってのは懲りないねえホント」


 男達を尾行する。西区のはずれ、スラム街。その中のボロい建物に入っていく。


『今回は上物だぜ!』

『誰にもつけられてないだろうな?』

(そろそろ行くか)


『大丈夫大丈夫!足には自信があるんだ!』

『最近聞く噂でリトルデーモンってやつに見つかったらまずにげられ…な』

「よっ。マジックバレット」

『ぎゃっ』『ぐ…そ』『ごふっ』


 カナンは手の届く範囲で人を助けている。闇ギルドにはリトルデーモンなんて言われてるが、カナンはまだ5歳の可愛い盛り。


「…なに運んでたのかねー…あー…確かに上物だねえ」


 袋の中を開ければ、七歳くらいの一人の少女が入っていた。綺麗な金髪にぷっくりとした唇。将来美人さんになりそうだなと思わせる。


「貴族か……面倒くせえ」


 しかし精神がアラサーのカナン少年には、いくら可愛くても貴族の少女など面倒くさいものにしか見えない。顔をしかめて考える。


「さっさと送って騎士団呼ぶか?いや、先に騎士団呼べば送らなくていい、いやお前誰だってなるよな…仕方ない」

(この前助けた貴族の女子は質問責めしてきてうるさかったからなー…名前何だっけな…プ?ブ?ブルセラ?まあいいか…貴族街まで行ってから起こすか)


「フローティング、フライ」

 魔法で少女を浮かせ、運びながら空を飛ぶ。

(目立つかな?)「ハイド」


「おーい、起きろー」

 貴族街に着いた。

「おーい」ぺちぺち

「ん…あれ?わたし…」

「起きたかーあそこ居る貴族街の巡回騎士に家まで送ってもらえ…じゃあな」

 逃げるが勝ちだと言わんばかりに踵を翻す。

「あの!」

「……」

「…何?お貴族様」

「えっ?あの…助けていただいたのですか?」

「ん?何が?そこで倒れてただけだよ…じゃあな」

「あの!お名前を!」

「名前か…」

「…?はい」

「……フジ」

 藤島のフジ、前世で高校の時のあだ名。

 カナンは前世のアキという名前は使わない。アキを知ってるヤツが誰か生きてたら今は嫌だから。


「じゃあな」

 フライで西区へ行ってから家のある東区に行く。貴族に家バレなんてさせない様に遠回り。ちゃんとフードにマスクもしてあるから顔バレもない、カナン少年は用心深い。


「ったく人に名前聞くくせに名乗らないとか…これだから貴族は」


 偏見が強いがそれだけ貴族に虐められて来たのだ。


 空を飛ぶ少年を見詰め、少女が呟く。


「フジ様……あの歳で上位魔法を…絶対あの人が助けてくれたのよ」


 それから探し人のチラシが配布され始める。

マジックバレット~無属性下位魔法、魔力の弾を打ち出す、主人公が制圧様によく使う


フローティング~無属性下位魔法、ものを浮かせて術者に着いてくる様になる、引っ越しでよく使う魔法


フライ~風、重力属性上位魔法~複合魔法、魔力制御が難しい為使い手は少ない、主人公は独学の為上位魔法だと知らない


ハイド~光、闇属性中位魔法、主人公は昼間は光属性、夜は闇属性で使う


お金の単位は10進法、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、光金貨、黒金貨の順で価値が高い。だいたい銅貨1枚100円


暦と時間は地球と一緒




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