家族
「ただいま父さん、母さん」
「お帰りカナン」
「あらカナン、お帰りなさい」
両親はいつもの通り忙しそうに働いているので、疲労回復グッズなどを渡している。そのお蔭かいつまでも若々しいと評判の夫婦になっている。
「ただいまブライト兄さん」
「お帰り、カナンなら大丈夫だが、中等部頑張るんだぞ」
「うん、得意科目しか受けないから大丈夫だよ。ブライト兄さんも大学院大変そうだね」
「そうだな、俺も頑張るよ」
長男のブライトは18歳になり、相変わらずイケメンで難関の大学院に通っている。サポートとして集中を高める魔道具だとかを渡している。
王宮の文官にスカウトが来るぐらい頭が良いが、両親の跡を継ぐので断っている。
「姉さんただいま」
「あら、カナンお帰りなさい、やっぱり魔法系の学科取ったの?」
「そうだよ、楽したいからねー」
姉のエレンは17歳になり、美人で可愛い年頃だ。現在魔法学校に通っている。来年は魔法学院の推薦を貰っているので受験戦争から離脱し楽に過ごしている。
姉が魔法学校1年の時に少し行き詰まっていたので、マッサージと称して魔力の流れをスムーズにしたり、魔法系の魔道具を渡し、魔法を攻撃と回復を少しだけ教えた。
以前姉が絡まれていたのを助けた時に、魔法が使えるのはバレた。
恐らく姉は宮廷魔法師くらいの実力はある。
「オード兄さんただいま」
「おうカナンお帰り!」
次男のオードは14歳で来月15歳になる。
中等部3年、来年は騎士学校に行く予定。騎士を目指している訳ではなくなんとなくだそうだ。
オードに関してはちょっとやり過ぎたかも…とカナンは少し思っている。
鍛練用魔道具を渡しまくり、少し魔力の流れをスムーズにした後、魔法剣理論を叩き込んでしまった。
同世代では敵無しで、現役騎士にも圧勝した時はやり過ぎたと思ったが、後悔はしていない。
「にいちゃんお帰り」
「リナただいま」
「にいちゃん学校でメガネ外したらダメだよ?」
「外してないよ」
妹のカタリナは10歳。東区の学校。
入学の際に中央区の学校に行きたいと駄々をこねたが、父の懸命な説得により東区に行っている。それ以来父を嫌っている。
カタリナは可愛いので、おしゃれグッズや可愛い物をこれでもかとプレゼントしている。
今ではカタリナがファッションリーダー的ポジションで、学校を牛耳っているらしい。
こんな感じでカナンは兄妹を少しずつ魔改造している。目的という目的は無いが楽しくなってついやってしまった
『アキ』
「ん?」
『誰と結婚するの?』
「いや相手がいねえだろ」
『フフフ』
アイはカナンの魔力で成長している。
今は少しだが、カナンが強くなれば普通に顕現出来る様になるだろう。
「少しは強くなったかな…」
人間や普通の魔物などには勝てる。
だが王種など理から外れた奴等にはいつも苦戦する。
アイと二人で魔物と闘い、今のところは全勝しているが気を抜かない様に気を付けている。
『アキは強いよ?』
「ああ、ありがとうなアイ」




