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中等部

 あれから6年経ち、カナンは12歳になった。

初等部を卒業し、一貫校なのでそのまま中等部の校舎に移る。

 入学式などは無かった。


 基本科目は世界史、国語、算術。

 1つ選択制、魔法、体術、騎士。

 2つ選択制の専門科目、魔法理論科、魔道具科、剣術科、商業科、芸術科、工芸科などがある。

全部で六教科取得する事になる。

 この学校にしか無い学科もあるので、国中から学びに来る様な学科もある。魔道具科もその一つ、

 なので貴族もその学科がある日だけ来たりするなど、少し自由な感じだ。


 カナンは基本科目と魔法、魔道具科、薬草学科と魔法寄りの科目にした。

 後でまた変えれるらしいが、魔法系が楽なので変わらないだろう。


カナンはいつものメガネを装備して、オリエンテーションを終える。

クラブやサークルの勧誘などが激しいのはどこの世界の学校も同じだなあーと思いながら、6年間座り続けているベンチで本を読む。


「疲れたなー、モリー」

「お疲れー、カナン」

 隣に誰かが座る。読書友達のモリー。

カナンにも人間の友達が出来た。エリはノーカウントとしている。このベンチにカナンが来る前から本を読みに来ていた少年だ。

 中等部の校舎はベンチを挟んで反対側。だからまたここは定位置になっている。

 本屋で買った本を交換したり、雑談するのが日課。


 前に帝国の薬草の本を読んでいるときに声をかけられ、意気投合。

 なんでも薬草学を学んでいるらしく、薬草学科にはモリーと一緒に出るつもり。


「なんか貴族も専攻学科に来るらしいぞー」

「うえーやだなぁー…無礼働いたらと思うと胃が痛いよ」


 そう笑うモリーはメガネはかけていない普通にイケメンの少年。

 よく目の前で告白されているのを見る。

 カナンの事は気づかずに…気まずいったらない。


「まあ薬草学科と魔道具科なんて貴族は来ないけどなー」

「あはは、それもそうだねー、でも経営学にはいるかも」

「あーそうだな、何かあったら俺がなんとかしてやるよ」

「頼もしいねー、その時はお願いね」


 モリーは薬草学と経営学の専攻、将来薬師を目指しているので独立したらレシピを何かプレゼントしようかと思っている。


「カナンは中等部に入ったんだからそろそろメガネ外したら? モテるよー」

「今さら外せるかよ、こいつ中等部デビューしやがった幽霊(ファントム)幻想(ファンタジー)キモいとか言われたらマジで泣くぞ」

「いや、そのメガネ効きすぎなんだよ…普通のメガネにしなよ」

「あーそれもそうか、今度やってみる」


 メガネは改良を重ねたせいか、クラス替えなどを経て今だに幽霊(ファントム)とかは稀に言われる。誰とは言わないが主に一部の女子が…


「さて、そろそろ帰るか」

「そうだね、僕も帰るよ」


「「また明日」」


 モリーは中央区に住んでいるので、早々に別れる。カナンは東区なので、モリーと別れたらいつも一人。


『アキ』

「アイ、どした?」

『びーえる?』

「どこでそんな言葉覚えたんだよ…」

『ウフフ、仲良いから』


 アイは普通に喋れるようになったので、二人の時はよく話し掛けてくれるようになった。

好奇心旺盛なのは変わらず、相変わらず楽しそうに笑っている。


「まっ、仲良いのは否定しないな」


 中等部での生活が始まった。






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