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金色女神

 

 秋はレイの猛攻をしのぎ、ようやく金色の剣に手を掛けた。


「はぁ……やっと…手にした」


 レイは封印してストレージに仕舞う事に成功…したのかは解らないが、今の所は出てこない。シリアスな場面で現れない事を祈るばかりである。


「あん? なんだよ世界樹。キリエがルルって人の情報を得るのに、ルビたんと話がしたいんだってよ」


 秋の心に世界樹が語り掛ける。

 どうやら、世界樹も会った事があるらしい。


「ふーん、四神が来る前か…古代文明よりも少し前だな。行こうと思えば…行けるけど、歴史が変わりそうだから行けないな」


 会ってみたい気持ちはあるが、キリエの説明をしないと最悪敵対してしまう。時間を超えて来るような者を警戒するのは当然だから。


「次は何処に行くとか言っていた? ……実家でしばらくゴロゴロする? 実家って何処だよ…知らねえのか…」


 得られた情報は落ち着いた性格、キリエと同じく銀色の髪、ヤバい槍を持っている、というくらい。

 気になったのは、世界樹がヤバいという言葉を使うくらいにヤバい槍…よくわからないが、秋は記憶の隅に留めておこうと思った。


「じゃあなー。…何? 礼なんていらねえよ。自分で叶えるし……あっ、今度妹を連れて行くから、花を咲かせてくれたらそれで良いさ。…ははっ、そうかい」


 世界樹から礼に何か願いを叶えると言われたが、叶えたい願いは特に無かった。

 軽く手を振って、転移で世界樹の元から去った。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「ただいまー」

「秋、遅かったわね」


「あぁ、昔馴染みに会ってな」

「ふーん」「へぇー」「昔馴染みねー」「そうー」


「……」

 秋は突き刺さる視線を流し、アイに金色の剣を渡した。

 アイは紅羽、乙珀、シルヴィに剣に触れるように指示。

 触れた所で、剣に魔力を流して力を増幅させた。


「いくわよー、合体」


 剣を中心に金色の光が発生。

 光が収まる頃には、合体を終えて金色の女神が姿を現した。

 金髪金目、金の衣と全体的に金色なのだが前に見た時と雰囲気が違う。優しそうな顔だが、どこか悪戯めいた眼差し…どうやらアイがベースになっているようだった。


『なんか…変な感じね』

「アイか? どんな感じなんだ?」


『お神輿にみんな乗っているんだけれど…私が一番上で手を振っている感じ』

「…解るような解らないような…前に出てきたルビたんは居るのか?」


『居るわよ、でも私達に任せてくれる感じかしら。お母さん、出てくる? ……必要な時に出てくるって』

「お母さん…か。ゆっくり話がしたいから、気が向いたら出て来てねって言っておいて」


『私達が成体になってからね、だって。長くは合体出来ないから、質問どうぞって』


 秋は一歩下がり、キリエが金色アイの前に立った。


「あの、ルルって人の事を聞きたくて…私を育ててくれた人なの」

『…お母さんはとある方の紹介で、ルルに会ったって。神相手に武器を売る武器屋さんで、次元世界を回っている』


「…武器を売っているって聞いたけど…神相手だったんだ」

『この剣…創星剣・世界(ザ・ワールド)はルルから買った。不良在庫って言われて格安だったみたい』


「これが不良在庫って…あっ、とある方って誰なの?」

『…天異界同盟の創設者の一柱よ。会ったら解るって』


「会ったら…か。あの…」『あっ、時間切れ…』


 ポンッと合体が解除され、アイ、紅羽、シルヴィ、乙珀がポーズを取りながら現れた。


「みんな、ありがとう」


「ウフフ、私達もお母さんに会えたから。そうそう、このクソ重い剣はキリエが持っていて。私達には力が強すぎて大変なの」

「分かった…重っ」


 キリエはアイから創星剣を受け取ったが、重い…とても振れるようなものでは無かった。

 ただ、内包されている力は凄まじかった。


「収納しないで持つようにすれば、少しずつ親和性が上がって使いこなせるようになるって」

「ありがとう…」


「武器屋っていうけど…こんな凄い武器どうやって作ってるんだ?」

「それは…頑張ったと思うよ!」


「…キリエ、何か隠しているわね」

「私達に言えないのかしら」

「秘密って奴か?」

「目が泳いでいるよー」


 アイ、紅羽、シルヴィ、乙珀がキリエを見詰めるが、キリエは視線を逸らして忙しー忙しー…と、わざとらしくデスクに座った。

 そして、創星剣を膝の上に置いて天パッドをいじっていたが、何かに驚いたように立ち上がった。


「あっ!」

「どうした?」


「あ、いや…メールをしている神から、会いたいって言われて…その場所がね…」

「場所? 知っている場所か?」


「…地球なの」



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