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魔導兵00-1

 

 最高位魔導兵00-1。

 過去、秋が魔の森に転移した際に古代遺跡にて遭遇。

 亀甲縛りで倒し、その後は世界樹にて過ごしていた。

 約二百年振りの再会だが、秋の姿は変わっており、魔導兵00-1…レイの取る行動はもちろん、侵入者への攻撃…


「双剣連舞…」

「…亀甲縛り」


「――きゃうぅぅぅん!」


 …にはならなかった。

 エビ反りで恍惚な表情を浮かべるレイに、秋は少しずつ後ずさる。

 レイとの思い出…亀甲縛りをした思い出しかないと言える程に、亀甲縛りの虜になっていた。


「あぁ……俺のバカ……昔の癖で亀甲縛りを使ってしまった……やばい……これはやばい……」

「んぁああ! これぇ! これこれこれこれこれこれこれこれこれこれこれこれこれこれこれこれぇぇ! この縛り具合! 強度! 感度!」


 ギュルンッ…と、レイの顔が秋を向く。魔導兵の癖に目に狂喜を浮かべ、口元が三日月のように弧を描いた。

 秋は冷や汗を流しながら、レイから逃げようとするが…レイの後ろには世界樹。根元に金色の剣が刺さっている。


「くそっ…どうする…一旦撤退するか…いや…天異界から逃げたのに、世界樹でも逃げたと知られたら俺の立場が…」

「くくっ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……見付けた見付けた見付けた見付けた見付けた見付けた見付けた見付けた見付けた」


「やっぱり…逃げよう…恐すぎる…」

「逃げよう? 逃げるの? 私から逃げるの? 逃げられると思っているの? どれだけ待ちわびたか! この悦びを! 快感を! もう…………逃がさないぃ! あきぃぃぃ! ロックオーーーーン!」


 レイが立ち上がり、両手を秋に向けて生体情報をお気に入り登録。これで秋が何処にいるのか解るようになってしまった。


「あぁぁぁ! バレたぁぁぁ! 転…」

「させると思うかぁ! リンク登録ーー!」


「なんだ…あぁぁあ! しまったぁぁぁ!」


 リンク登録…レイがこの二百年で編み出した接続魔法。空間魔法に接続する事で、何処に転移しようが秋のストレージに入る事が出来る。

 これで秋の退路は絶たれた。


 しかし、秋には特殊能力…自由で我が儘な時間を持っている。接続を切る事など容易い。容易いが、レイに自分の存在がバレた事の方が重大だった。


「さぁ! 私を縛ってくれぇ! ほらっ! 早く!」

「くっ、仕方無い! 極・亀甲縛り!」


「ぬふぅぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!」

「今の内に!」


 秋がレイの横を走り抜け…

 ――ガシィッ!

 られなかった。

 足首を捕まれバランスを崩して身体を強打。

 それでも気合いでレイを引き摺りながらほふく前進。


「あきぃぃぃ! 上手くなったぁねぇぇ! これからは! 毎日縛れやこらぁぁ!」

「いやぁぁぁああ! あと少し! あと少し!」


 残り一メートル。もうすぐ金色の剣に手が届く。

 しかし、レイは足首から膝を掴み、手が腰にまで到達していた。


「逃がしは…しない…ずっと…ずっと…待っていたんだから……ぐすっ…ぐすっ…」

「…レイちゃん」


「はっはー! 捕まえたぁぁ! 生態採取!」

「――なっ! 騙したなぁぁぁ!」


 レイが秋の情報を採取していく。髪の毛や汗などの遺伝子情報を。まだ情報が足りないとばかりに秋の唇を奪って唾液を採取。そして秋のズボンに手を掛け……


「情報は全部戴く」

「やめてぇぇぇええ!」


 秋の手は、金色の剣に届かなかった。



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