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転移ゲート作り。

 

 秋は転移ゲート作成の為に、加速空間の中で設計図を書いていた。秋と触れ合えるご機嫌な乙珀は、膝に乗りながら勉強中。


「乙珀は、将来何かしたい事はあるのか?」

「んー? 人間の世界じゃ暮らせないから…みんなのお手伝いかなぁ…」


「そりゃそうか。まっ、やりたい事があれば言ってくれ」

「へへっ、やりたい事はあるよ」


「へぇー、教えてくれよ」

「良いよー。ダイヤ貸して」


 秋が手の平サイズのダイヤを取り出し、乙珀に渡す。

 乙珀は得意気な顔をしながらダイヤに魔力を込める。

 すると、形が変わり…樹の形をしたダイヤに変化した。


「これは…アグニの力か。凄いなぁ!」

「うん! 凄い宝石を作りたいの!」


 秋が吸収したオリジン…アグニの力を乙珀も会得していてもおかしくない。そうは思うが乙珀の方が造形が深く、加工速度が速い事に疑問を持つ。


「へぇ…これは世界樹かぁ…すげぇ…俺より能力が高いなぁ…」

「へへへー、パパってダンジョンでダイヤモンド☆アグニを倒したでしょ? その時にアグニの力を全部貰っちゃったの!」


 無邪気に笑う乙珀を撫でながら、全部? と、引っ掛かりを持った。


「全部って……あのレーザーとかも?」

「うん! 全部だよ! もう少し頑張れば使えるんだ!」


「まじか…」


 確認の為に、アグニの能力を聞いてみる。

 超高熱レーザー、マグマ召喚、地震、宝石加工、宝石採掘、地脈同調…

 全ての能力を極めたら、魔王から魔皇を飛ばして超越種…極智の黄皇になりそうだ。


「ねぇパパ…色んな宝石が見たいの」

「おう! パパに任せておけ!」


 乙珀の甘えながらおねだりに、秋はホイホイ了承する。

 色々な宝石…この世界はもちろん次元世界中の宝石を集める事になるのだが……



「あっ、そうだ乙珀。この記憶を見てくれ」

「んー?」


 秋は乙珀にトランスファーを発動し、とある記憶を見せる。

 鋼鉄…ジグルドの過去。エラルドと出会い、共に過ごし、大教会にて初代聖女にエラルドが殺される記憶。


「……悲しい。……でも……あれ? ママ?」

「やっぱり、乙珀もそう思うか? 時空石を取り込む前のイリアと、エラルドの魔力…なんか似ているよな」


 記憶からエラルドの魔力を再現してみると、昔のイリアに似ている部分がある。

 エラルドは大教会で聖女に殺され、イリアは大教会の街で産まれて聖女になっている。

 一応共通点はあった。


「…だとしても、ママにはその時の記憶は無いから」

「そうだな。確証は無いし、魔力が似ているだけの人なんて沢山居る」


「もしそうなら?」

「刹那たんに報告してから、だな。別に直ぐしなければならない訳じゃないし、色々落ち着いてからの方が良いと思う」


 乙珀と話しながら、設計図通りに魔法で転移ゲートを一対作成してみる。時空属性付与の門。門の縁には乙珀がペタペタ貼った宝石。


「こんなもんかなぁ…鍵はこのダイヤで…」


 門の頂点に紫色のダイヤを取り付け、鍵となる紫色のダイヤで起動できる仕組み。試しにくぐってみると、機能はしている。


 これを複製魔法で量産。

 量産したが、これを全部家に置いておくのは邪魔だ。

 一つ軸となる転移ゲートを作り、そこから全ての門へ行けるように調整。

 これでなんとか形になった。


「よーし、戻るかー」



 加速空間から戻り部屋を見渡すと居るのは、溟海と龍王とサーラ、それと妖精が二体。他のみんなの姿は無かった。


「……溟海さん…そのおっさん、どうしたの?」

「今心に傷を負ってね。療養中だよ」


 ソファーに三角座りで落ち込んでいる龍王を無視して、乙珀と共に家を回るが誰も居ない。

 転移陣が起動していたので、天異界へ行ったのかな? と、思いキリエに連絡しておく。

 ご飯を食べたくなったら、共有ストレージが使えるグリーダから貰ってくれという連絡。


 その間になんとか復活した龍王が、格好付けながら話し掛けて来た。


「秋、慈悲の所へ行くぞ」

「一人で行けよ」


「……泣くぞ」

「泣けよ……いや、本当に泣くなよ」


 仕方ないとため息を付きながら、予定を決める。

 レイモン家に行くので、終わってからという事になった。


「じゃあ予定よりも早いけど行ってくるわ。サーラ、留守番頼むな」

「はい、ご主人様」


「あっ、そうだ。途中健次の所へ寄っていこう」

 乙珀は秋の中に入り、秋はレイモンに行く前に健次の所へ行く事にした。



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