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皆で天異界へ。

 

 鋼鉄を回収し戻って来た秋は、集まっていた面々に鋼鉄の出来事を報告。

 刹那は天空と旅行に行った事も伝えた。

 龍王が刹那に会えなくて、やたらに落ち込んでいたが無視をする。


 今回のように、誰かが悲しむ結果は避けたいが、絶対種がいつ復活するかも解らない。早くて明日…遅くて数十年後…


 とりあえず皆の意見を聞く事にした。


「絶対種達の対処をどうしたもんかと思うんだが、何か良い案ある?」


「また封印する」

「却下。遺恨が残る」


「感じさせる」

「却下。意味が解らない」


「放置する」

「却下。キリエが困る」


「秋がなんとかする」

「…世界を飛び回る事になりそうだから極力避けたい。俺もやる事が多いんだよ」


「秋ちゃんを封印して放置させてなんとか感じさせる」

「サティちゃん、却下達をまとめなくて大丈夫だよ」


 サティが秋に否定され、ムスッとした表情で睨む。

 今は真面目な話だよ…私は真面目よ…と、目で会話していると、アイが思い付いたように手を上げる。


「記憶を見せたら良いんじゃない? 四神は死んで新しい女神様が頑張っているって。絶対種達も人と仲良しって感じで」

「おーそれは良い案だけど、誰がやる?」


「世界各地に転移ゲートでも設置して、この家で待機している誰かが対応…ってのはどう? キリエ達の所に行けば世界中の監視は出来るし…」

「なるほど…監視役と待機役に分かれる訳か。それ良いね。アイ、ありがとう」


「ウフフ、褒められた」


 全ての絶対種が納得するとは思えないが、出来る限りの事はしたい。この世界を良くする為に、今の内に頑張らなければならない。


「キリエ達の負担を少しでも軽くしなきゃな…」


 今こうしている間も、キリエ達は四神が難なくやっていた事に追い付く為…相当努力している。

 意地になってやっているだけなのだが、それでも助けになりたいと全員が思っていた。


「じゃあ…俺は転移ゲート作成に入るから、何かあったら呼んでね」


「「「はーい」」」

「あっ、パパー私も行くー」


 秋と乙珀は加速空間の部屋へと入っていった。


 秋を見届け、アイがニヤリと笑い…それを見た紅羽が首を傾げる。


「ウフフ、やった。転移ゲート作ってくれるわ」

「また何か企んでいるのか?」


「別荘が欲しいのよ。この世界各地と、他の世界も…ね」

「…なるほど。秋って計画を練るタイプだから、別世界に別荘なんて言ったら渋るもんな」


「そうなの。秋は事後報告なら許してくれるから」


 アイと紅羽が悪い笑顔を浮かべ、イリアが仕方無いなぁと乗り気。サティは語るまでもなく…


「そうと決まればキリエ達の所にいきましょ? 別荘地候補を探すのって時間が掛かりそうだし」

「そうだな!」


 皆がウンウンと頷き、アイ、紅羽、イリア、サティ、ついでに寝込んでいるティナを拉致して居間に設置されている転移陣へ。

 起動しようと思ったが、ウンともスンとも言わなかった。


「あれ? 起動しない」

「誤作動防止のロックが掛かってるわ…」

「残念…」


 皆で落ち込んでいると、トコトコと毒酒が一人でやって来た。


「…どうしたの?」

「あっ毒酒ちゃん。天異界に行きたいんだけど、転移陣が起動しなくて…勉強会は終わり?」

「せっちゃんがリナちゃんを拐っていったから…」


 毒酒がチラリと転移陣を見て、少し視線を上に向ける。

 そして、拳をポムッと叩いた。


「グリーダちゃんを呼べば良いよ」

「どうやって?」

「普通に…グリーダちゃーん」


 グリーダを呼んでみるが、反応は無い。

 続いて…「お友達のグリーダちゃーん」


 ポンッ。

「お友達の毒酒ちゃん、呼びました?」


 床に首だけ出し、ビチャビチャに濡れたグリーダが出てきた。

 真顔なのが普通にキモい。


「この転移陣のロックを解除して」

「良いですよ。ロック解除」


 カチャ。転移陣が起動。


「…グリーダちゃん、何してたの?」

「お風呂ですよ」


「お風呂中にごめんね。ありがとう」

「お友達の為ですから。一緒に入ります?」


「…うん、入る。じゃあ皆…後でね」


「「「ありがとー」」」


 毒酒はグリーダと共に沈んでいき、皆で転移陣を起動。

 天異界へと向かった。




 その間…秋の部屋では、サーラが淹れてくれたお茶を飲みながら溟海と龍王がゆっくりしていた。


「龍王、秋が来るまでゆっくりしようか」

「ふっ、そうだな。可愛い子ちゃんは行ってしまったが仕方無い」


「用事は急ぎじゃないんでしょ?」

「あぁ。秋が戻って来たら、慈悲の所へ行かなければならない」


「…別に行かなくても死なないでしょ。それに一人で行けば良いし…」

「ふっ、一人は寂しいんだ」


「……サーラちゃん、何か言ってあげて」


「はい…失礼します。良い年こいて寂しいとかマジでキモいぞおっさん。要は痔を治しに行くだけじゃねえか格好付けんな独りで逝け。何がふっ、だよロリコン。美少女を見る目が厭らしいんだよセクハラキモオヤジ」


「……」

「龍王…泣くなよ」




「はぁーサッパリサッパリ。……ん? なんか鼻がムズムズしますね」

「グリーダちゃん、テレビ観よ」


「良いですよ。でもチャンネルが沢山あって……とりあえず天チューブでも観ますか。えー…龍神チャンネルとか、ラグナチャンネルとか、トトトリスチャンネルとかが人気なんですねぇ…おっ、天異界会議中継ってありますよ。これは軍事会議かな」



『本日の議題は…レジェンド計画についてだが…』



「その内キリエもこの中継に映るのかな…今の内にサイン貰わなきゃ」

「これは軍事会議なんで出ないと思いますよ……へ…へ……へっぷし!」


『――ドゴォォオオン!』

『――っ! 何が起きた!』


『報告します! 第三宝物庫に謎の爆発が起きました!』

『賊か! 総員! 戦闘配備!』



「……」

「なんか大変そうですねぇー」



『報告します! 謎のゴーレムが出現! 竜星を持ち去りました!』

『なんだと!』



「毒酒ちゃん知ってます? 竜星って強い力を封じ込めた宝石達らしいですよ」

「……」



『くそっ! こうなったら俺が!』

『カイ! お前は行くな! 私が行く!』



「なんか天異界会議中継って楽しいですね」

「……グリーダちゃん」



『報告します! 謎のゴーレムが人質を連れて次元の穴から逃げました!』

『至急追え! 同盟外の世界に行ってしまったら手遅れだ!』



「あっ…」

「グリーダちゃん…どうしたの?」


「私のせいで新作が始まるらしいです」


「自覚…あったんだね」



※新作始めました。

『双子の流星』です。

https://ncode.syosetu.com/n6284fr/

宜しくお願いしますorz

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