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通販。

 秋が資料を呼んでいると、アイと紅羽が手を繋いでトコトコ階段を上ってやってきた。

 秋の部屋の入り口は無く、階段を上がれば到着するので開放的な部屋…プライベートが無いとも言う。


「アキー、ティナ連れて来て良い?」

「良いぞー。護衛のミシルさんも一緒によろしく」

「了解。アキは相変わらず美人なお姉さんには弱いんだな」

「もちろん。美人なお姉さんに美味しい物をご馳走するのが生き甲斐だからな」


 ティナやカタリナの部屋はもちろんある。だからいつでも来て良いと伝言を頼んだ。階段からジーッと見詰めている刹那の部屋もちゃんとある。


「刹那たん、部屋なら二階の一番奥にあるよ」

「…ぐっぢょぶ」


 刹那はグッとサムズアップしてスーッと階段を下りていった。

 最近刹那の動き方がサティに似てきたが、気にしないようにしている。


 天異界の資料をタブレットで見ていると、メールが届いた。


「んー? キリエからだ」


 キリエ『秋、メールしてみたんだけど…届いたかな?』


 秋『届いてるぞー』


 キリエ『良かった。打ち込むのって難しいね。簡単そうだったのに、実際にやると違うし…』


 秋『こればかりは慣れだからな。月読に教えて貰ったのか?』


 キリエ『うん。色々試してみたくて』



 天異界から持ってきたタブレット…『天パッド』には、メールや買い物など色々な機能がある。買い物をする場合は、転送アプリで届くが…通貨が神格や珍しい物なので、中々手が出ない。


「珍しい物だと、一度査定して換金しないと駄目なのか」


 換金アプリを開いてみると、目の前に小さな魔法陣が出現。

 試しに大きめのレインボーダイヤモンドを置いてみると、パシュンと消えてタブレットの画面にレインボーダイヤモンドが映し出された。


「五万で売れるな…高いのか安いのか解らないけど…売ってみよう」


 売るを選択。すると、タブレットに五万チャージされた表示が出てくる。

 何か買ってみようかと…買い物アプリを開くと、膨大な商品量に目が眩んだ。


「うわ…デフォルトだからグチャグチャじゃねえか…カスタマイズしないと…」



 見易いように並べ替えをして、改めて見てみる。

 日用品や食品、嗜好品など巨大な通販サイトとあまり変わらない気がした。値段も神格が一~何千万と幅広い。


「すげえな…あっ、嘘…醤油とかあるじゃん」


 調味料類をカートに入れて、購入欄を押すと目の前に魔法陣が出現し、箱に入った調味料が出現した。

 これを見た瞬間に、秋がガッツポーズ。まだ他に何かないか探してみる事にした。


「こうやって、通販にハマっていくのか…気持ちが解るな…」


 魔導具や武器防具関連を見ていくと、高い物はオーバースペックな一品がズラリ。

 それこそ、秋が作った武器が霞むような強力な物ばかり。


「魔剣とか売っているけど、神武器は…クソ高えな。職人によって値段がピンキリだし、千年待ちとかざらだな…」


 金色女神の金色武器は売ったらいくらになるんだろう…と思いながら、商品を見ていくと、禁薬の項目を発見。


「…ん? エリクサーとか英雄の薬が十万で売っているな。これ、俺が量産して売ればお金持ちになれるかな?」


 沢山買い物をしたいので、計画に入れておく。

 むやみにやると後が面倒な場合に困るので、色々調べてから実行に移そうと考えた。



 しばらく見ていると、「…お腹すいた」刹那が秋の傍にやって来る。秋は刺身に醤油とわさびを添えて出すと、刹那は目を輝かせて食べ始めた。


「刹那たん、健次って何してるの?」

「確か…今貴族の依頼で、薬の素材探しに奔走しているよ」

「へー。何の薬の素材?」

「バジリスクの涙」

「ふーん。重い石化回復の霊薬かぁ…大変だなぁ」


 貴族の依頼なので、報酬は良いが難易度の高い素材なのでしばらく帰って来ないかなー…と日本に帰る目処が付いた事を話すのは後回しにする。


「何か用事? 暇だから伝えに行くよ?」

「あぁ…まだ確定じゃないからいいや。まぁ…暇なら手伝っておいで。バイト代出すから」


 秋が光金貨をピンッと指で弾くと、刹那がパシッと掴む。


「…まいど」


 刺身を食べ終え、刹那は紫色の魔法陣を展開。

 バシュンッ!__転移で移動していった。

 簡単に転移魔法を習得した働きたくないオーラ全開の刹那だが、高額報酬でならちゃんと働く。


「はぁ…天才が周りに多すぎるよなぁ」


 みんな天才だが、変人というか個性が強い。

 アイと紅羽に縛られ、担がれながら遠い目をしている王女を窓から眺めつつ、ため息が漏れた。


「ますたぁ」

「どうした? グリーダ」

「なんで最近の私は後書き要員なんですかね?」

「場を乱すからじゃないか? そもそもスピンオフって何するんだよ」

「さぁ…知りませんよ。流石に一人は寂しいので、この世界の方々に出演オファーしたら全員NGでした」

「そりゃ、クレイジーな奴と一緒に居れるのなんて多忙な月読くらいだろ」

「願い星ちゃんは私の女神ですから。一応…出演第一候補は関西弁の女神様ですけど…忙しいのでまだ解らないらしいです」

「あぁ…誰か知らないけど、突っ込みに期待ね」


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