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碧の饗宴

 霊王種アヴァランチ・ソウル・グランデ。雪崩の名を冠するこの魔物は青色。他に赤色、青色、黄色がある。


 以前秋が倒したのは黄色。

 地震の名を冠するアースクエイク・ソウル・グランデ。


 砂漠地帯で勇者が挑み敗れ撤退した後、密かに秋が倒した魔物だ。


「俺のバカ」


 前世の記憶を思い出すが、自分のバカさ加減が露呈していく。


「倒したと言っても遠くからオリジナル神位魔法ぶっぱなしただけじゃん」

(休憩時間に間に合わせる為に、普通の英雄の薬でドーピングして加速時間の中で使ったから、その後俺使い物にならなかったなぁ)


「しかも、高笑いしながらギガンティック・ウォーター・クローゼットとかマジで恥ずかしい…誰にも見られなくて良かった」


 大きなトイレの魔法で霊王を流したのを思い出して身震いする。


「まだこちらを意識していないから、とりあえず分かる事を整理して準備しないと勝てるか分からん」


 勇者が攻撃当たらないのに一生懸命頑張っていた事を思い出す。


「こいつに物理は効かない」


 勇者が黄色の魔法、岩でボコボコにされていたのを思い出す。


「属性に寄った尖った性能」


 勇者が流砂の中に沈んでいった場面を思い出す。


「特有の力場がある」


 勇者が上に乗ろうとして滑り、ケツを強打していた事を思い出す。


「丸い」


「勇者は使えねえ」


「とりあえず分かることはそんなもんか…」


 顎に手を当てて考える。自分が出来る範囲の魔法を。


「どこまで通用するか分からないけど…1発本気でやってみて終わらせるかな」


 ふぅーっと一息。気合いを入れる。


「いきなりだけど力を借りるな」


 精霊石を取り出し、慣れた手付きで手の甲に刺す。


「いって…固定するか…」


 少し歪んだ顔で、布を使い手をぐるぐる巻きにする。


「よし!念のため防御から」


 カナンは防御の魔法を発動。青、灰、銀色の大きな魔方陣を展開。


 魔方陣が輝く。


「フィンブル・ガード」


 青銀の衣に包まれた。これで青色魔法を超位までなら防御出来る。


「後は攻撃、青以外…超位複合は2つが限界か…」


 よっしゃ!と気合いを入れて魔法を発動。


 赤色、黄色の大きな魔方陣を展開した。


 魔方陣が輝く。


「くっ……キツいな……ブレイジング・コメット!」


 上空に巨大な深紅に燃える彗星が出現。霊王に向け放つ。


 赤く燃えたぎる彗星は霊王を直撃した。


 ドオオオン!と、ものすごい爆音が鳴り響き、煙と粉塵で辺りが見えない。


「直撃したけどこれで終わりな訳無いか…_っうお!」


 突如大きな氷の柱が幾つもこちらに向かって飛んできた。


 ドンッドンッドンッと鈍い音がカナンに響く。


 カノンに直撃したがダメージを受けた様子は無い


「フィンブル・ガードが効いているな」

(超位の防御魔法だから簡単には崩れないはず)


 煙が晴れてきた


「……」


 丸い珠がふよふよと浮いている。変わった様子が無い様に見えるが、よく見るとひびが見える。


「よし!効いている!もういっちょ!」


 逸る気持ちを抑え魔法を発動。


 赤色と黄色の大きな魔方陣を展開。


 魔方陣が輝く。


「今度は質より量で!ブレイジング・メテオ!」


 深紅に燃え上がる隕石群が出現。


 次々と霊王に襲い掛かる。


 ドオオオン!ドオオオン!と直撃に次ぐ直撃。


 多数の隕石により舞い上がる粉塵と煙。


「……見えない。超位規模だとこれがあるからなー」


 目を凝らすが何も見えないので待つ事に。


「……ん?雪…」


 そして季節外れの雪が振りだした。しんしんと降り注ぎ、少しずつ数が多くなってくる。


「結構降ってんな。何かするのか?」


 そして、ギュルッ!雪が全て氷塊に変化した。


「うえっ!」


 四方八方からカナンを襲う。


「うおっ!」

 ガガガガ!直径3センチ程の雹が次々飛んでくる。


「少しビビったけど、効かない効かない」


 くっくっくっ、と余裕な表情で迎える。


 そして氷の塊は、全てフィンブルガードで防がれた。


「完全に敵認定だなー。臨むところだけど」


 煙が晴れる。そこにはひびを増やした丸い珠。


「ひびが増えてきたな」


 エリクサーを飲みながら、最初よりも落ち着いた表情で霊王を見据える。


「今のところ持久戦も大丈夫だ。身体も負担が少ないし」


 手をグーパーして痺れ等が無い事を確認。


「しかし頑丈だ、超位の複合くらってんのに…やっぱり球だから攻撃が逸らされるのか?」




「だけど」


 赤色と緑色の魔方陣を展開。


「完全な真球なぞ存在しない」


 魔方陣が輝く。


「ブレイジング・サイクロン!」


 紅く紅く燃え盛る竜巻。


 ゴオオオ!と霊王を熱風で包み込み。


 その場に閉じ込める。


 うねる赤い旋風。


「良いね良いね!調子が良い!はははは」


 カナンが安堵して、調子に乗ろうとした瞬間。


 フッと前触れもなく赤い竜巻が消え去った。


「_は?」


 霊王は変わらずひびが入っていて、ふよふよと浮いている。


 変化は無い様に見える。


「なにが、起きる?」


 訳の分からない状況に混乱していると、輝くは、


 霊王の身体。


「___っな!」


 霊王の身体に魔方陣が刻まれていく。


「自分の身体に魔方陣だと!」


 霊王が青色に輝き出した。


「それだと!これは!」


 ゆっくりと回転する様子を見て、カナンの目が見開き続ける。


「立体魔方陣じゃねえか!」



 立体魔方陣は、



「……禁術以上が確定する」









ギガンティック・ウォーター・クローゼット~水、風、闇、重力複合神位魔法、主人公オリジナル、究極のトイレ魔法、対象を巨大な渦に巻き込み中心に形成したブラックホールに吸い込む、何処に吸い込まれたかは誰も知らない


フィンブル・ガード~水、無、星属性複合超位魔法、青銀の光で包み込み、水、氷属性の超位魔法までをガードする


ブレイジング・コメット~火、土属性複合超位魔法、燃え盛る彗星を召喚、潰しながら焼き付くす


ブレイジング・メテオ~火、土属性複合超位魔法、燃え盛る隕石郡を召喚、潰しながら広範囲を焼き付くす


ブレイジング・サイクロン~火、風属性複合超位魔法、紅く燃え盛る竜巻で対象を焼き付くす




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