天異界。
あれ?…なんか、あと二、三章くらいで完結しそうな予感ですねぇ。
仕事が忙しくなって来たので、百合百合な話を書いている場合では無いんですが………はい、頑張ります……
天異界。
神種が存在している領域。
星と星とが繋がる場所でもあり、少しばかり次元の違う場所。
ネットワークのサーバの様に、星毎に違う天異界があり、格付けがある。
その中でも、この世界の天異界は格付けに拘る所だった。
『来たか…』
『来たね』
『来た…』
『来たわね』
天異界に侵入した者の気配。
自分達とは違う力、簡単に気付く。
ここを目指していると知ってから、今か今かと待っていた。
『わざわざ来てくれるとはな』
『吸収すれば格が上がるね』
『殺す…』
『私は魔王が欲しいわ』
女神と呼ばれる者達。
魔王を通じて世界に顕現する場合は、魔王の姿を使っている為、人間達には女神像の女神が一般的。
だが、天異界に居る場合は姿が違う。
この神達は、本来の姿をしている。
『格は平等にな』
『分かっているよ。抜け駆けはしない』
『分割…』
『あの子みたいに檻に入れておくのも良いわね』
神種達は動き出した。
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キリエ達はグリーダに天異界へと飛ばされた後、順番に合流。
キリエ、絶望、シルヴィが壁に激突する中、毒酒だけトコトコ歩いて天異界へとやって来た事に不満を覚えていた。
「なんで毒酒ちゃんだけ壁に激突しなかったの?」
「グリーダちゃん…優しかった」
「差別だな」
「差別ね」
帰ったら文句を言おうと、アゴをしゃくれさせる魔女っ子を思い出す。
意外とグリーダに愛着が湧いているので、怒る感情では無いのだが。
今居る場所は大きなホールになっている。
白い壁、上に続く大きな階段。
中央には魔方陣があり、星のエネルギーが流れて来ている様に見える。
「キリエ、ここまで来れば解る?」
「うん、何となく覚えているよ。この上に進めば良い」
キリエは邪神の記憶を頼りに思い出す。
この天異界と呼ばれる場所は、ダンジョンに似ている。
階段をひたすら上がり、各階層に行けば神種が居る。
神種の格が上がる程、上の階層。
「格の低い神種達はどうするんだ?」
「兵士みたいな物だから放っておく。時間の無駄」
「狙うは、トップの四神よね」
「あいつらが全てを指揮しているからね」
四神。この天異界を運営している四柱の神。
四神を消せばこの天異界の機能は制限される。
「よし!行こう!」
「ああ」
「ええ!」
「頑張る」
キリエ達は階段を駆け上がって行く。
目指すは最上階。




